化粧品メーカーが健康レストラン運営に続々と参入、ファンケル・THREE・SHIROの事例

化粧品メーカーなど、美容企業が運営する健康志向のレストランやカフェが人気だ。グルテンフリーや精進料理など、健康と美容にこだわった心身にやさしいメニューが特徴で、中には、化粧品と同じ原料を用いたメニューも。日頃からリピート購入してくれる顧客との関係構築はもちろん、”食”というタッチポイントを通じて未購入者や無関心層と新たに接触できることや、自社ブランドの世界観やストーリーを化粧品以外の方法で伝えられることが、美容企業側のメリット。自社のブランドイメージを活かした人気レストランの事例を見ていこう。

“グルテンフリー”のレストラン(ファンケル)

化粧品や健康食品メーカーのファンケルは2019年に、小麦粉を使用しない”グルテンフリー”のイタリアンレストラン「FANCL BROWN RICE MEALS」を銀座にオープン。通常、イタリアン料理は小麦粉を多く使用するが、健康が気になる人はもちろん、小麦アレルギーの人でも楽しめるよう、玄米・発芽米を用いたリゾットやパスタ、ブレッドのメニューを提供している。2022年には同レストランがプロデュースするベーグルの通販専門店「OKOME BAKERY」をオープン。米粉を使用したグルテンフリーのベーグルを販売している。今年7月には、ナチュラルローソンでグルテンフリーベーグルの販売を開始。5月の期間限定販売で好評だったことから、再度発売に至った。

ファンケル グルテンフリーレストラン

【出典】ファンケル。昨年5月〜6月にFANCL BROWN RICE MEALSで提供した限定メニュー

 

 

コスメと同じ “自然派” 原料をカフェでも(SHIRO)

国内とロンドンに実店舗を構え、米国や中国等でEC販売を行う自然派コスメブランドのSHIRO(東京・港)は、国内にカフェを3店舗展開。2017年にオープンした「SHIRO CAFE」の自由が丘店では、酒かすや昆布などSHIRO製品の原料でも用いる“自然の素材”を使った食事を提供している。昨年4月には、同ブランド発祥の地である北海道砂川市に、SHIRO CAFEも併設する体験型工場「みんなの工場」をオープン。商品の製造工程をガラス越しに見学したり自分好みに合わせたマイフレグランス作りを体験できる他、キッズスペースやラウンジも備える。以下は、STVニュース北海道で放送された施設内の様子。

 

 

現代版の “精進料理” がコンセプト(THREE)

伊勢丹新宿店や銀座三越などの百貨店などをはじめ、100以上の店舗で展開するオーガニックコスメブランドTHREE(東京・品川)は、2018年にコスメショップを併設したレストラン「REVIVE KITCHEN THREE HIBIYA」を東京ミッドタウン日比谷にオープン。精進料理の考えをベースに野菜中心のメニューを揃え、グルテンフリーやビーガン対応のメニューを提供している。

REVIVE KITCHEN THREE HIBIYA

【出典】東京ミッドタウン日比谷。昨年9月~12月に提供した限定メニュー

 

 

女性ヘルスケア白書2024 市場動向予測レポート

 

 

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