女性の消費基準は「バリュパ」へ、求めるのは“本質的なタイパ” 2024下半期トレンド
コスメ・美容の総合サイト「アットコスメ」を運営するアイスタイルは今月、2024年下半期の美容トレンドを発表した。アットコスメに投稿されたクチコミや、同社運営の実店舗での売り上げの分析、ユーザーアンケートなどから5つのトレンドを予測しキーワード化した。
- バリュパ消費
- おくち美活動
- 旅備コスメ
- 成分フリーPick
- コンシーラー七変化
ヘルスケア業界も注目のトレンドは、「バリュパ消費」。Z世代を中心に広がり始めた消費傾向として、時間対効果を意味する「タイパ」が2022年頃より注目されているが、その流れは美容業界でも加速しているという。実際に同社サイトに投稿されたクチコミのワード出現率を分析したところ、「時短」は横ばいであるのに対し、「タイパ」は2023年比で7倍の出現率で大きく伸長している。
アットコスメに投稿される口コミ内では「時短」と「タイパ」は同義で使われることが多いものの、厳密には違う概念として使われる傾向が顕著になってきているようで、ユーザーアンケートでは、約4割が「化粧品や美容における『時短』と『タイパ』は違う」と回答したという。具体的な違いを聞いた質問では、次の回答が寄せられた。
- 時短は、かける時間が単純に短いこと。タイパが良いとは、かける時間に対してかけた時間以上の効果が得られること。(10代)
- 時短はただ時間を短くすること。タイパは時間を短くしつつクオリティも高くしたいと思うこと。時間とクオリティの最大の極値を探すような感じだと思う。(20-24歳)
- 時短は時間がないとき、見た目や化粧保ちが多少落ちることをしょうがないと、あきらめも含めたもの。タイパはあきらめではなく「あえて」の時間。時間が少しとられるかもしれないがその効果が高い。自分を大切にしてるって自己肯定感が高まります!(30-34歳)
- 時短だと手を抜いた、という感じがする。タイパだと内容は充実した美容ができる感じがする。(40-44歳)
- 時短よりタイパの方が、ポジティブなイメージを持ちます(50代以上)
単純な時間の短縮ではなく、時間短縮とクオリティの両立を叶えるものを「タイパ」と定義しているようだ。近年、自分自身の骨格タイプや肌タイプを診断するコンテンツが人気を集めているのも、こういった時間短縮とクオリティの両立ニーズを捉えたものだと同社は見ており、「最初に時間や手間はかかるものの、その後は自分に本当に似合うコスメアイテムに出会えるから、結果的にお金と時間を無駄にしない」ことが、消費者のベネフィットに。
以上のエビデンスやトレンドを踏まえ、単に時短を求めるタイパではなく、「本質的な価値=バリュー」までをもセットで求める新たな消費傾向として、「タイパ」の深化版とも言える「バリュパ消費(バリューパフォーマンス消費)」を2024年度下半期のトレンドとした。
ちなみに、ヘルスケア製品・サービスの利用においても女性が時短を求める傾向は年々強まっているが、健康・命に関わる領域であることから、身体の状況によっては「時間をあえてかけたい」ニーズもあるので、見極めは必要だ。2024年度の女性ヘルスケア市場の最新動向や女性の最新健康ニーズも、ご確認を!
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ウーマンズは「女性ヘルスケア市場専門のシンクタンク」として、女性ヘルスケア事業の成長・変革を推進するマーケット情報を収集・分析・整理し、最新知見を企業様にご提供。女性ヘルスケア市場に特化してマーケティング支援を行ってきた「豊富な実績」「15年にわたり継続的に行っている調査分析により蓄積した知見やノウハウ」「業界ネットワーク」を活かし、女性ヘルスケア事業を行う産学官の「どうすれば製品・サービスを広く社会に流通させられるか?」の課題解決に取り組んでいます。事業内容は「コンサルティング事業/ビジネスメディア事業/MICE事業/BtoB広告事業」。最新レポートや新着セミナーのご案内、制度変更などヘルスケア業界の重要ニュース、企業様から頂戴する「女性ヘルスケアビジネスあるある相談」への回答など、ニュースレターで配信中。ぜひご登録ください!
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