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女性の検診受診率はどうやって上げる?工夫を凝らした取り組み3選

検診受診率向上に向けては、啓発活動や受診勧奨の強化、職場での健康教育や制度整備などが有効策とされているが、女性にとっては、「恥ずかしい」といった心理面への配慮や、時間・お金の問題といった側面に焦点を当てる方が有効なケースも多い。今回は、女性の受診率向上に取り組む事例を紹介。「痛そう」「怖い」「恥ずかしい」といった心理的ハードルの低減、費用負担の軽減、受診の利便性向上で女性の行動変容を図る、各社の取り組みとは?

大腸検査を避けていた人の新たな選択肢に、受診者の約9割が女性

「バーチャル大腸内視鏡検査」が、女性の受診率向上に寄与する検査方法として注目を集めている。内視鏡を大腸に挿入しない、肛門の露出時間は従来の10〜15分ほどに対しわずか20秒程度、大量の下剤を飲む必要がない、検査中の不快感や痛みがないなど、一般的な大腸内視鏡検査よりも苦痛や恥ずかしさがない点が、これまで検査を避けていた人にとって、新しい選択肢になっている。特に女性から支持されており、同検査を提供する八王子クリニックによると、受診者のうち約9割が女性という。

 

乳がんリスク検査で「ハイリスク」の女性に、検診代1万円を支給

広島大学発バイオベンチャーのミルテルが提供する“自宅でできる痛くない乳がんリスク検査”は、病院に行く時間がなかったりマンモグラフィは痛くて怖いなど、従来の乳がん検査に苦手意識がある女性に向けたもの。それだけでも十分に未受診者の行動変容促進に寄与するが、工夫はそれだけではない。同検査では結果がハイリスクだった場合に医療機関での乳がん検診受診を推奨しているのだが、診断結果を同社に提供した女性に、乳がん検診代として1万円を支払うという取り組みも行っている。診断結果を同社の研究に活用するための謝礼金という位置付けだが、受診意思はあっても先延ばししがちな層にとって、金銭的インセンティブは、受診行動を後押しする有効な手段となり得る。とは言え、乳がんと子宮頸がんについては、金銭的インセンティブによる効果は限定的、または不確実との研究報告もあることから、効果のほどは様子見といったところだろう。

 

タクシーのお迎え付き人間ドックで、受診のハードルを下げる

レディースクリニックとサイネージメディア企業が協同で提供するのは、自宅からクリニックまでの片道をタクシーで無料送迎する「タクシーお迎え付き人間ドックプラン」。人間ドックを受けない女性たちにとって、検査のための移動が負担になっていると調査でわかったことから、心理的・身体的ハードルを下げようと、提供を開始した。移動の面倒を省くだけでなく、空腹状態での電車移動の負担も軽減することで、女性の受診機会を促すのが狙い。

 

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