スーパーホテル、客のニーズに応える美容・健康アイテムを次々に商品化 なぜ人気?
国内に約180のビジネスホテルを展開するスーパーホテルは先月、同社が企画開発したCICA成分配合のフェイスマスクの提供を開始した。宿泊客がフロントロビーで自由に選べる同社オリジナルのオーガニックアメニティに新たに追加したもので、フェイスマスクの導入は今回が初。男性のスキンケア意識の高まりも受け、性別問わず利用してもらえるよう意識した。
同社では、美容グッズの持ち運びが不便な旅行先・出張先でも手軽にスキンケアできるよう、早くからアメニティの充実化を図っており、オリジナルのオーガニックアメニティは2013年に提供を開始した。企画は社内の女性スタッフが行い、客の声をもとに改良・改善をしながら、洗顔料、オールインワン化粧品、シャンプー、ボディケアクリームなど、さまざまなアイテムを取り揃えるまでに至った。客は1泊につき5点まで無料で選べる。ホテル内での販売は行なっておらず、同社が運営する公式オンラインサイトでのみ購入できる。

【出典】スーパーホテル(7月に公式オンラインストアで販売を開始したオリジナル天然ヒノキアロマ。各店舗のロビーや大浴場などで実際に使用しているもので、客から「自宅でも使いたい」という声が多数寄せられていたことから商品化)
中でも人気は、フリー処方の「ビタミンC高配合美容液」や「洗い流さないヘアトリートメント」、肌の疲労感を軽減する成分やリラックス系の香りを採用した「クレンジング&洗顔&髭剃りジェル」や「オールインワンモイストゲル」。いずれも、旅行中・出張中でもしっかり美容ケアをしたい、という女性のニーズを的確に捉えたもので、ホームケアさながらの充実ぶりと本格設計だ。宿泊時の使用で気に入りそのまま購買につながっているようで、購入者の多くはホテルの宿泊経験者だという。リピート購入も一定数あるというから、ファン化にも成功している様子。
だが、市場で化粧品専門ブランドが乱立する中で、化粧品開発を主力事業としないホテル事業者が開発した化粧品を、女性たちはなぜ信頼し購入し続けるのか?その理由は、“美容・健康に主軸を置いた体験価値”を、顧客ニーズに真摯に向き合いながら追求し続けている姿勢にあると言えそうだ。客のヘルスケアを意識した宿泊体験に注力するようになった経緯について、編集部が同社に尋ねたところ、次のように答えた。
「ご宿泊いただくお客様は、滞在時間の大半を眠ることに費やします。そのため創業当初より、ホテルの一番の使命は、出張や観光でホテルに宿泊するお客様にぐっすり眠って、翌朝元気にご出発いただくことであると考え、睡眠や健康に配慮した取り組みを追及しています。快眠を追求した客室設備やオリジナルマットレス、『選べる枕』、健康朝食ビュッフェや天然温泉などの導入に加え、客室の天井に珪藻土を使用したり、水道から『健康イオン水』を供給したりと、『きれいな空気、きれいな水』を意識した空間づくりにも早くから取り組んできました。昨年にはパジャマのリニューアルを行い、からだのリズムを整えて快眠をサポートする『超・ぐっすりパジャマ』を開発しました」
女性客に向けては、美容・健康の専用備品を備えた「レディースルーム」も用意しており、女性の身体に最適なマットレスや、MTG社の人気美容ブランドReFaのシャワーヘッド、健康イオン水などを提供している。アメニティのみならず空間や備品、睡眠環境、食事など、宿泊中のあらゆる場所で提供されるヘルスケア体験が、客の信頼を勝ち得ていると言えそうだ。昨年開発した「超・ぐっすりパジャマ」はオンラインでも販売しており、好調という。同ホテルでは今後も、客のニーズに合わせた開発を進めたいとしている。
人気商品の分析で明らかに、「女性の健康消費を促す基準」は?
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