カネカ、女性医療事業に参入 プレコン政策を踏まえアプリ開発 自治体・企業に展開
総合化学メーカーのカネカが、女性医療事業に参入した。従来の医療機器事業が医療現場向け製品や技術の提供を中心としていたのに対し、新事業では妊娠前から出産までの健康づくりや生活習慣までを視野に入れた支援を目指す。少子化が進む中、カネカグループが保有する医療機器、検査診断、バイオといった複数の技術基盤を横断的に活用し、妊娠と出産を取り巻く環境の改善に取り組む考え。
新事業の一つが、国立成育医療研究センターとの共同研究を基に開発した、プレコンセプションケアを支援するアプリ「MyPrecca(マイプレッカ)」の展開。同センターのプレコン・チェックシートに基づいた設計で、食事・運動・睡眠など日々の記録を通じてプレコンケアの状態を可視化する。健康づくりに向けた定期的なアドバイスやレポートも提供し、ユーザーが妊娠前からの健康づくりを振り返り把握できるようにする。
同アプリの開発は、こども家庭庁が昨年5月に策定した「プレコンセプションケア推進5か年計画」を背景に、自治体や企業によるプレコンケア推進の活発化を見込んだもの。アプリで取得したデータを匿名化・集計して自治体や企業にフィードバックすることで、地域や職場の実態に即した施策の検討や、健康経営・女性活躍推進の見直しに活用されることを想定する。
現在、同社と同センターはアプリの有用性を確認するため、滋賀県と姫路市で実証評価を進めており、18〜39歳の女性を対象にプレコンセプションケアに対する認知や意識、行動の変化などを検証している。アプリの利用状況や継続性についても評価し、啓発や実践を支えるツールとしてのユーザビリティも確認する。両自治体の実証評価を踏まえ、2026年度以降、全国の自治体や企業への展開を目指す。
同社は、PCR検査診断技術を応用して開発した腟内フローラ検査サービスの試験運用も進めており、不妊治療クリニックで膣内環境評価の一環として提供を始めている。今後は、腟内フローラの評価結果を踏まえた腟内環境の改善を目指したソリューションの提供や、プレコンセプションケア、妊娠、出産などに関する検査サービスの拡充を検討していく。
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