【女性ヘルスケア市場観測】AI・VR活用で熱中症対策を高度化、今週の新商品7選
女性ヘルスケア市場を日々ウォッチしている編集部が、今週の新商品・サービスを厳選して紹介する定点観測シリーズ。女性たちの健康課題やニーズに着目した各社の取り組みから、市場の新たな動きを探っていこう。
今週は、暑熱順化や熱中症対策に関する取り組みが目立った。今夏も最高気温40度以上の酷暑が予想される中、暑さ対策商品の多様化は引き続き進行中。昨年注目を集めた、濡らして振るだけでひんやりする「冷感ポンチョ」は、今年は各社から相次いで登場。夏の新たな定番アイテムとなりそうだ。編集部が特に注目したのは、より効果的な熱中症対策を目指す新たなアプローチ。AIやVRなどのテクノロジーを活用した取り組みに加え、旅行先での体験を通じて暑熱順化を促すプログラムも登場した。単に暑さを避けるのではなく、熱中症対策そのものを高度化する動きが広がっている。
女性ヘルスケア市場の新商品・サービス7選
【ポーラメディカル】顔解析技術を活かした暑熱対策AIカメラ、供給体制強化 前年比3倍
ポーラ・オルビスグループのポーラメディカルが、顔解析技術を活かして開発した暑熱対策AIカメラ「カオカラ」の供給体制を強化した。2025年6月に職場の暑熱対策が罰則付きで義務化されたことを受け、建設業や製造業を中心に導入が拡大。2026年は前年比約3倍のペースで推移しており、今年の暑熱期には全国5000超の現場での稼働を見込む。同製品は、カメラに顔をかざすだけで顔色や表情、発汗状態などをAIで解析し、暑熱リスクを約3秒で4段階判定するもの。目視や声かけといった属人的な判断に依存してきた現場の暑熱管理をサポートする。
【大塚製薬×ジョリーグッド】VRで熱中症対策トレ、高齢者特有の課題に着目
VRを活用した熱中症対策も登場。大塚製薬とジョリーグッドは、共同事業のVRトレーニングプログラム「FACEDUO」に、高齢者向けの「熱中症対策VR」を追加した。自治体や医療機関、企業での活用を想定し、熱中症の初期症状や重症化の過程、加齢による身体機能の変化などをVRで疑似体験できる。高齢者は熱中症による救急搬送者の約6割を占める一方、自覚症状に乏しく重症化しやすいことが課題となっている。知識の習得だけでなく、早期の気づきや適切な対応につながる行動変容を促す仕組みとして展開する。
【星野リゾート】旅先での「暑熱順化プログラム」、温泉や周辺環境を活用
熱中症対策は温泉地にも広がる。77施設を運営する星野リゾートは、夏本番を前に体を暑さに慣らす「暑熱順化」をテーマにしたプログラムを各施設で展開する。ウォーキングやサイクリング、空手体験、温泉などを通じて無理なく発汗を促し、日常生活に戻ってからも実践できる「暑さに負けない体づくり」を目指す。暑熱順化は運動や入浴による発汗が有効とされ、温泉地が持つ資源との親和性が高い。標高約1000メートルの準高地(長野県・軽井沢町)や、地熱を体感できる雲仙地獄(長崎県・雲仙温泉)など、各地の自然環境を生かした取り組みが特徴だ。
【クラシエ薬品】「漢方セラピー」を公式EC販売へ、フェムケアのラインナップ
クラシエ薬品は今月1日、漢方薬ブランド「漢方セラピー」の販売を公式オンラインショップで開始した。販売対象は、月経痛や更年期障害、産後の不調、冷えなど、主に女性の悩みに対応する15商品。同ブランドは2006年に誕生し50処方以上の商品を揃えるが、これまで主販路を薬局やドラッグストアとし、公式ECでの販売は行ってこなかった。一方、店頭では売り場スペースの制約から収益性の高い商品が優先され、フェムケア領域を含む一部商品は店頭での取り扱いが限定されていた。本来は幅広いラインナップの中から個々の症状に合った処方を選べるブランドでありながら、店頭で十分な選択肢を提供できない状況が続いており、こうした課題意識から公式ECでの展開に踏み切った。27年10月までに全商品の展開を目指す。
【Apple】iOS27に更年期サポート機能を追加、運動プログラムも
Appleは今月9日、今秋にリリースするiOS27のソフトウェアアップデートで、「更年期移行期」と「更年期」をサポートする機能を追加すると発表した。2019年に追加した生理周期追跡機能に組み込む。TechCrunchの報道によると、生理周期のパターンが更年期移行期を示唆する際に、通知を受けられるという。また、それを補完するものとして、Apple Fitness+で「更年期を強く乗り切る」プログラムの提供を開始した。3週間のプログラムで、ヨガと筋力トレーニングにより、更年期ユーザーの体力向上、バランス、体の動き、ストレス軽減を目指す。
【第一三共ヘルスケア】緊急避妊薬のサイトアクセス高水準、LINEでサポート体制強化
第一三共ヘルスケアは、日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ」のLINE公式アカウントを開設した。購入前のセルフチェック機能や、服用3週間後に妊娠検査薬の使用や受診を促す通知機能を提供し、緊急避妊薬が必要になった際の情報収集から服用後の体調管理までを支援する。個人情報の入力を不要とし、アカウント名や通知メッセージに「妊娠」や「避妊」の文言が表示されない設計にするなど、プライバシーにも配慮した。2月の発売以降、ノルレボのブランドサイトへのアクセス数は、同社の他製品を上回る水準で推移しているという。情報提供に対する需要の高さもうかがわれる中、アカウント開設により、購入前後のサポート体制を強化する。
【ハルメク】ミドル女性向けの新番組、配信開始 テーマは「2040年」
ハルメクのミドルエイジ女性向けWEBメディア「HALMEK up」は、KDDIの動画配信アプリ「au Short」で、40〜50代女性を対象にした知的対話番組「I & WORLD 〜世界を知るほど私が見える〜」の提供を開始した。番組コンセプトは「2040年、何歳ですか? 私たちはどう生きる?」。生産年齢人口の減少やインフラ老朽化などの「2040年問題」を見据え、年金、AI、気候変動などの社会課題を読み解く。現在の40〜50代が60〜70代を迎える未来を考えるきっかけを提供し、将来への漠然とした不安を抱えやすい中年層の思考整理を支援する。
女性ヘルスケア白書2026 市場動向予測レポート
2026年度の女性ヘルスケア市場を予測する「女性ヘルスケア白書2026年度版 市場動向予測」を発行しました。これまでにBtoC企業、BtoB企業、自治体、医療機関、マスメディア、教育機関など、さまざまな業種の方に広くご活用いただいている、恒例の人気レポートです。新規事業の企画・開発、マーケティング設計、販売戦略における意思決定にご活用ください。「女性ヘルスケア白書 市場動向予測2026 ~健康トレンド・業界動向・女性ニーズ~(全149ページ)」
【編集部おすすめ記事】
■緊急避妊薬、薬局・DgSで販売開始 「予期せぬ妊娠」防ぐ新たな選択肢に
■ヘルスケア市場規模、2050年に77兆円へ 日本の有望領域トップ5
■熱中症の予防対策が引き起こす健康不安 60〜90代が気掛かりなこと
■女性は何の症状・病気改善のためにヘルスケアアプリを使う? 利用目的ランキング
■女性ヘルスケア白書 市場動向予測2026 健康トレンド・業界動向・女性ニーズ































