女性特有の不調・症状に対し「セルフケアも医療機関の利用もしない」4割(20〜59歳)
ここ数年で女性特有の健康課題の認識が広く認知されるようになったが、具体的な対処や予防に向けた行動を起こしている女性は、まだまだ多くはないようだ。大塚製薬が女性20〜59歳を対象に実施した調査で、健康管理の実態を明らかにした(「大塚製薬 女性のヘルスリテラシー調査(2024年度)」,20〜34歳1,174人、35〜59歳2,826人)。
目次
女性特有の不調・症状に何の対処もしていない、4割
女性ホルモンの変化によってもたらされる女性特有の不調・症状に対しどのように対処しているか聞いたところ、20〜34歳と35〜59歳の両年齢階級において最多は、「セルフケアも医療機関の利用もしていない」が4割に上り、多くの女性が不調・症状を放置していることがわかった。「セルフケアをし、医療機関は利用しない」「セルフケアをし、医療機関も利用する」「セルフケアはしないが、医療機関を利用する」は、それぞれおよそ2割だった。医療機関を利用していない女性は6割に上り、対処に向けた受診行動は起きづらい様子がうかがえる。
婦人科検診の受診有無と理由
婦人科検診を受診してない、4〜5割
続いて、婦人科検診の受診有無について聞いたところ、「受診していない」と回答したのは20〜34歳に多く約5割、35〜59歳は4割だった。年齢的に重大な病気の可能性がある不安や、症状の深刻化から対処ニーズが強いためか、「定期的に受診している」と回答した女性は、35〜59歳の女性の方が多く約4割で、20〜34歳は約2割にとどまった。
婦人科検診を受診する理由
婦人科を受診している人に理由を複数回答で聞いたところ、「受診すべき年齢になったから」「自分の健康について知っておくべきだと思うから」「自分の健康に不安を感じるようになったから」など、健康意識によるものが両年代で上位となった(赤枠)。20~34歳においては、ライフステージの変化や両親からの受診の勧めを受診理由に挙げる女性が30~59歳よりも多かった(青枠)。
婦人科のかかりつけ医の有無と理由
婦人科のかかりつけ医はいない、5〜6割
続いて「婦人科のかかりつけ医の有無を聞いた。「いない」は20~34歳で約5割、35~59歳では約6割に上った(赤枠)。かかりつけ医をもつことは、健康状態の客観的な把握や疾患の早期発見につながるため予防医療の観点からその重要性が推奨されているが、日本では一般的ではないことから、かかりつけ医のいない女性が半数に上るものとみられる。
婦人科のかかりつけ医を持つ理由
婦人科のかかりつけ医がいる人に理由を聞いたところ、20~34歳で多いのは、月経や妊娠・出産についての相談・検診・治療のため。一方、35~59歳で多いのは、女性特有のがん、月経・更年期・女性特有のがん以外の症状・不調、更年期症状についての相談・検診・治療のため。理由は年代によって異なることがわかった(青枠)。
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