東横イン成長の鍵は、女性社長の「女性視点」「気遣い力」
エイボン・プロダクツ(神奈川・横浜)による、エイボン女性年度賞2017が発表され、先月、都内で授賞式が開催された。今回受賞した4名の各受賞スピーチの中でも特に印象的だった、東横イン代表執行役社長の黒田麻衣子さんの姿勢と言葉をご紹介。
1979年創設 エイボン女性年度賞
エイボン女性年度賞とは、人々に勇気や希望を与える女性たちに贈られる賞で1979年に創設された。特にその年度で顕著な活動している女性、長年の地道な努力が結実した女性、女性の新しい可能性を示唆する先駆的活動をしている女性などを選考基準に、その時代ごとに社会に有意義な活動を続け、自身の信じた道を切り拓いてきた女性たちを表彰してきた。今回受賞したのは、次の4名。
- 大賞:小池一子さん(十和田市現代美術館 館長/クリエイティブ・ディレクター)
- 教育賞:黒田 麻衣子さん(東横イン 代表執行役社長)
- スポーツ賞:上地 結衣さん (車いすテニス選手)
- 芸術賞:荻上 直子さん(映画監督/脚本家)
支配人の97%が女性 「女性の感性がホテルづくりに大切」
4名それぞれの受賞スピーチの中でも特に印象的なのは、東横イン創業者の長女であり2代目社長の言葉。結婚・出産を機に離職しドイツに住み始めたものの、会社の不祥事の発覚をきっかけに日本に戻り社長に就任した黒田さんは女性の活用を軸に邁進してきた。同社では先代の社長が女性支配人の登用を始めており、これは「女性のこまやかな心遣い、綺麗好きなところ、近所付き合いが上手なところ、家計のやりくり上手なところ、こうしたところはすべて女性の気質であり、女性の感性がホテルづくりには大切」という考えからだという。支配人のうち97%が女性という数字からも、同社での女性の活躍ぶりがうかがえる。
この精神を受け継ぎ黒田さんが社長になってから始めたことの一つが、支配人たちとの個人面談。体調や更年期、家庭の子どもや介護のこと、この先心配なこと、会社への不満などについて話を聞く時間を1年に1回設けているという。
「現場と経営陣が近い会社であること」成長のために大切なこと
家事・子育て・介護は仕事とは直接的に関係のないプライベートタスクだが、これらを家庭で主導する女性たちが仕事と両立させていくには絶対に軽視できない部分だ。実際にプライベートタスクがネックになって昇進や働くことそのものを諦めている女性は多い。プライベートタスクへの配慮だけではなく、仕事にネガティブな影響をも与えてしまう更年期症状など、女性ならではの健康状態についても理解を示すその姿勢はまさに女性社長ならではの「気遣い力」。受賞スピーチでは最後に次のような言葉で結んでいる。
「現場と経営陣が近い会社であること、これが女性の多い職場においては成長のために大切なことだと思っておりますので、これからも私は同じ女性として女性が抱えるプライベートでの問題も理解する、そんな経営者でありたいと思っています」
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