妊娠中の魚油摂取が子どもの血圧に好影響か

子どもが肥満になっても、母親が妊娠中にω3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)を摂取していれば、高血圧を発症するリスクは低い可能性があることが、米カンザス大学栄養学教授のSusan Carlson氏らの研究で示された。詳細は「JAMA Network Open」2月22日オンライン版に発表された。

Carlson氏は「肥満で血圧が高い子どもが増え続けている米国では、この研究結果は特に重要だ」と指摘する。同氏によれば、幼少期に血圧が高かった人はその後も血圧が高いまま推移することが多く、長期的に健康に影響する可能性もあるという。

今回の研究は、カンザスシティの複数の医療機関で実施されたプラセボ対照二重盲検のランダム化比較試験であるKansas University DHA Outcome研究のデータを分析したもの。2006~2009年に研究に参加した350人の妊婦を対象に、妊娠中にDHA(1日当たり600mg)を摂取する群またはプラセボを摂取する群にランダムに割り付け、出生した子どもが18歳になるまで追跡した。今回の分析は171人の子どもを対象に実施した。

その結果、過体重や肥満の子どもでは、母親が妊娠中にプラセボを摂取していた群では、妊娠中にDHAを摂取していた群と比べて収縮期血圧(SBP)値が平均で3.94mmHg高く、拡張期血圧(DBP)値は平均で4.97mmHg高いことが分かった。これらは統計学的にも有意な差であった。また、母親が妊娠中にDHAを摂取していた子どもでは、過体重または肥満の有無で血圧値に差は認められないことも明らかになった。

論文の共著者で同大学のJohn Colombo氏は「DHAの作用の一部には、成長に伴って体重が増加しても、血圧を正常に保てるように心機能をプログラミングする働きがあるのかもしれない」と考察している。

米国で販売されている妊婦用サプリメントの多くはDHAを含有しているが、そのほとんどは含有量が600mgに満たない。ただし、Carlson氏らは、過体重や肥満の小児の血圧上昇を予防するために母親が妊娠中に摂取すべきDHAの必要量は明らかになっていないと付け加えている。

今回の研究には関与していない専門家らも、DHAの摂取量の重要性を指摘している。米レノックス・ヒル病院の産婦人科医であるJennifer Wu氏は「一般的な妊婦用ビタミン剤にはDHAが200~300mg含まれている。しかし、早産リスクを低下させ、出生児の除脂肪体重を増加させるといったDHAのさまざまな有益性を考慮すると、妊娠中の1日当たりのDHA摂取量は増やす必要があるかもしれない」と話している。

一方、米コーエン小児医療センターの認定栄養士であるAudrey Koltun氏も、200~300mg程度のDHA摂取では、今回の研究のような結果が期待できるかどうかは疑問だとしている。また、「バランスの取れた健康的な食事よりもサプリメントの摂取が推奨されることがあまりにも多い」としながらも、「DHAには乳児の脳や眼の発達を促す作用が明らかになっているが、今回、血圧の上昇から小児を保護する可能性もあることが分かったのは喜ばしい」と話している。(HealthDay News 2019年2月22日)Copyright © 2019 HealthDay. All rights reserved.

 

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