Amazonで処方薬が買える新サービスに、反対・不安・疑問の声

アマゾンジャパンは23日、処方薬のオンライン販売サービス「Amazonファーマシー」を開始した。利用者は、ドラッグストアや調剤薬局の大手9社(※)の全国2,500店舗から処方薬を受け取れるようになる。(※)アインホールディングス、ウエルシアホールディングス、クオールホールディングス、新生堂薬局、中部薬品、トモズ、ファーマみらい、薬樹、ユニスマイル)

【出典】Amazon

  1. 医療機関で診察を受ける
  2. 電子処方箋を受け取る
  3. Amazonのショッピングアプリ上で自宅や会社近くの薬局を選び、処方内容を画像で送る
  4. オンライン上で薬剤師から服薬指導を受ける
  5. 自宅に薬が配達される(置き配は不可)

 

受診後の薬局までの移動と待ち時間を節約できるのが利点で、ネット上にはその点を評価する声が見られるが、一方で「便利だとは思うが利用はしない」「普段からAmazonでよく買い物をするが、このサービスを使うのは抵抗がある」という反対の声も多い。薬剤師ではない配送業者から薬を受け取ることに対する安全管理の懸念や、配達ミスによる個人の健康情報の流出、Amazonに普段の買い物情報のみならず健康情報までもが蓄積されることへの抵抗が目立つ。

  • 他の人の薬が間違って配達されないか心配
  • 近所に間違って配達されたら、病気を知られてしまう
  • 「処方薬は “アマゾンの配送網” で患者の自宅まで配送する」というのが怖い。普段のAmazonの配達の品質は、感心できるレベルではないので
  • 置き配が不可なら、配達員から直接薬を受け取るんだよね。抵抗がある
  • 生活用品などの宅配とは違い、薬は重要な個人情報。便利そうだが様子を見る
  • 怖いのは、Amazonのアカウントと処方箋の内容が紐付けられてAmazonに蓄積されていくこと
  • Amazonは今後、健康情報を元に各種サービスや商品のプロモーションをしてくるのでは?
  • 普段はAmazonをよく利用するが、さすがにこのサービスは使いたくない
  • 薬は保管温度が決まっていたりしてデリケート。この猛暑でどのように配送するのか?薬の質が低下するリスクもある

Amazonが処方薬の販売事業を始めることで、業界では中小薬局の淘汰が進むとみられ、かつてAmazonの登場で書店が街から次々に消えたのと同様に、薬局の将来的な減少が指摘されている。とは言え、そもそもオンライン診療や電子処方箋などオンラインで医療系サービスを受ける人は未だ少数だ。処方箋や薬というセンシティブな情報をAmazonや配送業者が扱うことへの懸念もハードルとなり、しばらくの間は様子見が多いと考えられる。現時点ではAmazonファーマシーのユーザーがどこまで伸びるかは未知数。浸透までには時間がかかりそうだ。

 

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