出生前検査の受検者数は2万639人 30代後半が最多 受けた人・受けなかった人それぞれの本音
2022年7月~2023年3月に出生前検査(NIPT)を受けた妊婦が2万639人いたことが、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会の報告でわかった(出生前検査認証制度等運営委員会「令和4年度(2022年度)実施状況報告」)。検査を受けた年代別の妊婦数は以下で、最多は「35〜39 歳」。
- 10代: 3人
- 20〜24 歳: 81人
- 25〜29 歳 :1,383人
- 30〜34 歳 :4,662人
- 35〜39 歳 :9,499人
- 40歳以上 :5,011人
同委員会はサイト上で検査を受けた人と受けなかった人、それぞれの声もまとめており、妊婦に向け、出生前検査に対する多様な考え方を示している(出生前検査認証制度等運営委員会「検査を受けた人の声 受けなかった人の声」)。
<受けた人の声>
- 実家から遠く離れた場所で育児をすることが決定しており、夫は激務で頼れないため、障害がある子を育てる自信がなかったため。
- もしダウン症の確率が高くても、事前に準備ができるのでよいと前向きな気持ちで考えていました。
- 一番目の子どもがトリソミーで死産だった経験があります。二番目ができたときは、また死産になるのではと不安でした。出生前診断ができて異常がなかったので、きっと今回は大丈夫と頑張ることができました。
- 妊娠初期の健診で産院の先生からお腹の子にダウン症がありそうと言われ、大学病院の超音波検査、羊水検査を受けて診断が確定しました。妊娠継続を諦められなかったので寄り添ってもらえる方々を自分で探し、たくさんの方のサポートを受けて無事に出産、今とても幸せです。
<受けなかった人の声>
- 出生前検査を受けたとしても、もし異常があった時にとても悩むと思いました。後悔するかもしれないとも思いました。
- いわゆる高齢出産には該当しなかったし、何よりも高額で考える余地はなかった。
- 妊娠初期はする気持ちがとても強かったです。 障害がある子を育てる自信もお金も環境もないと思っていたからです。 しかし、不安に思っていることをきちんと整理して調べたり先生に尋ねたりして自分なりに解決した結果、しないことにしました。
- ダウン症の子どもがいますが、私は出生前検査をしなくて本当に良かったと思っています。受けていたら、中絶していたかもと思うとこんなに可愛い我が子と会えなかった。本当に必要な検査か、医師と妊婦さんがもっと話し合って考えて検査を行って欲しい。検査後の結果についての判断は、人それぞれなので何も言うことはありません。 ただ、マイナスな面だけではなくプラスな面も見てほしい。
以下動画は、出生前検査についてわかりやすくまとめたもの(こども家庭庁 出生前検査認証制度等啓発事業. 妊娠娠中の検査に関する情報サイト)。
【レポート】売れるフェムテックの開発と販売戦略
フェム系商品・サービスのマーケティング戦略に役立つレポートをご用意しています。売れ行きに課題を感じている/販売スピードを加速させたい/流通量を増やしたい/戦略のPDCAを行いたい事業者様は、ぜひお役立てください。詳細・レポートのお申し込みはこちら。
【編集部おすすめ記事】
■卵子凍結に30万円、卵子凍結を使った生殖補助医療に25万円 東京都が助成開始
■卵子凍結の利用「考えたことがある」5割、その理由と不安なこと
■「子どもを産まなければ良かった…」4割、子育ての期間が長いほど後悔
■2021年に生まれた体外受精児、過去最多の約7万人 10代〜50歳以上の女性が治療
■【出展社募集】第2回ジェンダード・イノベーションEXPO2024