【大腸がん検診の日】女性の大腸がんの状況 〜罹患率・死亡率・生存率〜

毎年9月は、日本対がん協会が主唱する「がん制圧月間」で、初日となる9月1日はブレイブサークル運営委員会(東京・新宿)が定めた「大腸がん検診の日」。大腸がんは女性のがん死亡数ランキングでトップだが、早期治療による生存率が高いため、定期的な検診受診が大切。女性の大腸がんの状況について理解を深めよう。

大腸がんとは?

大腸がんは、大腸(結腸・直腸)に発生するがんで、良性のポリープががん化して発生するケースと、正常な粘膜から直接発生するケースがあり、日本人は直腸とS状結腸にできやすいといわれている。早期では自覚症状がほとんどなく、進行すると症状が出てくる。代表的な症状は、血便や下血、便の表面に血液が付着するなど。進行すると、貧血、便秘や下痢、便が細くなる、残便感、腹痛、嘔吐などの症状が出てくる参考:がん情報サービス

 

大腸がんの要因

大腸がんの発生は、喫煙、飲酒、肥満など生活習慣との関わりが指摘されており、女性は、加工肉や赤肉の摂取によりリスクが高まる可能性があると言われている。家族の病歴との関わりもあるとされている参考:がん情報サービス

 

大腸がんの状況

罹患数、罹患率(年齢別)

2019年に大腸がんと診断されたのは、155,625例(女性67,753例、男性87,872例)。女性のがん罹患数1位の「乳房」に次いで、2位が「大腸」。男女ともに罹患率は40代から上がり、ピークは80〜90代。

 

 

死亡数、死亡率(年齢別)

2021年の大腸がんによる死亡数は51,788人(女性24,338人、男性28,080人)。部位別のがん死亡数を見ると、女性は「大腸」が最多で、女性のがん死亡全体の15.3%を占める。死亡率は年齢とともに高くなる。

【男女別の部位別がん死亡数、トップ10(2021年)】
順位 女性(人) 男性(人)
1位 大腸
(直腸と結腸の計)
24,338 53,278
2位 22,934 大腸
(直腸と結腸の計)
28,080
3位 膵臓 19,245 27,196
4位 乳房 14,803 膵臓 19,334
5位 14,428 肝臓 15,913
6位 胆のう・胆管 8,557 前立腺 13,217
7位 肝臓 8,189 食道 8,864
8位 子宮
(体部と頸部等の計)
6,818 悪性リンパ腫 7,627
9位 悪性リンパ腫 6,154 膀胱 6,434
10位 直腸 5,748 腎・尿路 6,274

がんの統計2023よりウーマンズラボ作成

 

 

生存率

女性の大腸がんの生存率は全がんの中でも高く、がんと診断されてから5年後の生存率を表す「がん5年相対生存率」は、71.9%。なおトップ3は、1位:甲状腺がん(95.8%)、2位:皮膚がん(94.6%)、3位:乳がん(92.3%)。生存率が最も低いのは膵臓がん(8.1%)

男性のトップ3は、1位:前立腺がん(99.1%)、2位:皮膚がん(94.4%)、3位:甲状腺がん(91.3%)。生存率が最も低いのは、女性同様に膵臓がん(8.9%)

 

がん検診受診率

男女ともに大腸がん検診は40歳以上で年に1回が推奨されている。女性の検診受診率は徐々に上がっており、2013年は34.5%、2022年は42.8%。だが、乳がんや子宮頸がん同様に未だ半数に達していない。また、男性よりも受診率が低いことも課題だ。以下は国内の男女別がん検診受診率の推移。

 

 

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