働く女性の「健康」と「活躍」を両輪で、加速する一体型支援の動向がわかる記事4選
女性が働きやすい環境整備に向けた取り組みとして、「女性の健康」と「女性の活躍」はセットで語られることが多い。どちらもトレンドワードであることから、耳目を集めようとプロモーションの側面から2語をただ絡めているケースも見られる。特に、女性の健康が社会トレンド化した近年、顕著に見られる手法だ。だが、少子高齢化による労働力人口の減少で人材戦力の見直しが急務となる中、女性の「健康」と「活躍」を一体化で捉えた本気の両輪支援が、待ったなしの状況に。
女性が安心して働ける職場づくりは、生産性向上や離職防止、昇進意欲の増加、L字カーブの是正などに寄与し経済成長のエンジンへ繋がることから、国もいよいよ本腰を入れる。女性の「健康」と「活躍」に関する最新動向がわかる記事をご紹介。
目次
健康状態と昇進意欲に相関関係
まずは、女性の「活躍」と「健康」がいかに密接に関わっているかを示した調査結果からご紹介。「健康状態の認識」と「昇進意欲」に相関関係があることを明らかにした内閣府による調査で、男女ともに20〜40代の全年代において、自分を「健康だと思う」人よりも「健康でないと思う」人の方が、「現在より上の役職に就きたい」と考える人は少なかった。女性が「社内で活躍したい」「昇進したい」と思える環境づくりにおいては、女性自身の良好な健康状態が第一条件と言えそうだ。女性の活躍に向け、心身の健康力を底上げする支援の重要性が示された。
改正女性活躍推進法に「働く女性の健康配慮」が初めて明記
そんな調査結果も背景に、今月成立した「改正女性活躍推進法」では、女性特有の健康課題への配慮が初めて明記された。心身の健康状況は女性の働きやすさや仕事のパフォーマンスを左右する大きな要因となることから、改正にあたっては、「女性活躍」と「月経・不妊治療・更年期などの健康課題」との関連に言及した議論が行われてきた。企業に課せられる具体的な行動はこれから策定されるが、施行される来年4月以降、女性の健康と活躍の両輪による一体化型支援が急速に広まる見込みだ。
フェムテックの展示会「Fem+」、健康と活躍の両輪を重視
フェムテック・フェムケア領域の展示会「Fem+(フェムプラス)」も、女性の「健康」と「活躍」の両輪を重視。これまでは、フェムテック・フェムケア、メンタルヘルスケア、ウェルビーイング領域を出展対象としていたが、次回開催となる2026年から「女性の活躍」にまで対象を広げる。女性の健康推進は社会全体のテーマとして捉えられるようになったものの、「フェムテック」単体の訴求では関心層が限定的となり、男性や企業の意思決定層の来場数を伸ばすのは難しかったため、女性の健康と活躍に焦点を当てた新エリアを設けることにした。
改正女性活躍推進法の施行で、女性の健康と活躍の両輪が加速すると見られる中、同展示会が機運醸成に大きく貢献しそうだ。
従業員の健康学習の意欲を高める秘策は「キャリア形成に必須のスキル」
健康経営のため、従業員に健康教育を実施する企業は多い。だが、年齢的にまだ健康問題を自分ゴト化できない若年層が多い職場や、健康づくりの重要性を理解できていない従業員が多い場合、研修を実施しても学習意欲が低いといったケースがある。そんな課題を解決して組織全体のヘルスリテラシーを向上させる有効な方法が、健康を学ぶ意義を「キャリア形成に必須の知識・スキル」に位置付けることだという。そう断言するのは、健康経営を長年に渡り支援してきた、さんぎょうい社。実際の現場でよく見られるケースで、解決策として有効だという。女性の健康施策と活躍推進の施策は、切り離して考えるのではなく一体型させるのが有効であることを、わかりやすく示している事例だ。
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