産業別の女性の管理職割合、女性就業者が多い産業が上位に
厚労省は7月末、2022年度の「雇用均等基本調査」の結果を公表した。企業における女性の雇用状況や育児・介護休業制度に関する調査結果などを産業・企業別に明らかにしたもので、管理職に占める女性の割合についてもまとめている。
従業員が10人以上いる企業での課長・係長・部長相当職・役員に占める女性の割合に、前年からの大きな上昇は見られなかった。( )内は前年の調査結果
- 係長相当職…18.7%(18.8%)
- 課長相当職…11.6%(10.7%)
- 部長相当職…8.0% (7.8%)
- 役員…21.1%(21.4%)
産業別の女性管理職(役員を含む課長相当職以上)の割合は、女性就業者が男性より多い産業がトップ6を占める結果となった。「医療・福祉」の割合が突出して高いのは、女性就業者が圧倒的に多いためで(女684万人,男225万人)、女性が主戦力とされてきた産業であることから、女性が働きやすい環境の整備に積極的に取り組んできたことが背景にある(総務省「女性活躍の推進に関する政策評価 結果報告書」2019)。
- 医療、福祉(53.0%)
- 生活関連サービス業、娯楽業(24.6%)
- 宿泊業、飲食サービス業(17.5%)
- 教育、学習支援業(17.2%)
- 金融業、保険業(15.0%)
- 卸売業、小売業(13.9%)
- 不動産業、物品賃貸業(12.4%)
- 情報通信業(11.5%)
- 運輸業、郵便業(11.3%)
- 学術研究、専門・技術サービス業(11.0%)
管理職に占める女性の割合は年々わずかに上昇してはいるものの、諸外国と比較すると未だ低水準だ。全就業者に占める女性の割合は他国と同程度だが、女性管理職の割合は12カ国中最下位で、トップのフィリピン(53.4%)と40.5ポイントもの開きがある。
政府は今年6月、「女性版骨太の方針2023」の中で、プライム市場の上場企業の女性役員比率を2030年までに30%以上とする目標を掲げたが、達成までの道のりは険しい。
【編集部おすすめ記事】
■報道各社の「健康の男女平等、ほぼ達成」は本当? ジェンダーギャップ指数2023
■女性差別の例 〜日本・世界の男女格差/ジェンダー問題の現状〜
■無意識の思い込み「アンコンシャス・バイアス」41項目、男女の意識差
■【レポート】女性ヘルスケア白書2023年度 市場動向予測
■【出展社募集】女性特有/男性特有の健康課題を解決するビジネスが集結(ジェンダード・イノベーションEXPO 2024)