【子宮頸がん予防啓発月間】子宮頸がんの状況 〜罹患率・死亡率・生存率〜

【子宮頸がん予防啓発月間】
11月は子宮頸がん予防啓発月間。17・18日はシンクパール(東京・千代田)による日本のランドマークをライトアップするプロジェクト「ティールブルージャパンキャンペーン」が行われる。WHOが主催する「子宮頸がん撲滅世界一斉イルミネーション」と連動し、子宮頸がん検診の受診啓発とHPVワクチンの正しい知識の理解促進を目指すもので、東京都庁、神奈川県庁、大阪万博記念公園「太陽の塔」、京都タワー、広島城、熊本城、さっぽろテレビ塔など全国50ヶ所以上でライトアップが実施される。

子宮頸がんを予防する「HPVワクチン接種」については、男女共に集団免疫の獲得に繋がる効果などから、男性の接種に費用を助成する自治体が増えている詳細「男性のHPVワクチン接種、費用補助する自治体が増加 女性がん・男性がんの予防に」。9月末には東京都が、男性への助成を始める区市町村の補助について検討する考えを示した。子宮頸がん予防啓発月間を機に、子宮頸がんについて理解を深めよう。

子宮頸がんとは?

子宮にできるがんのうち、子宮頚部にできるがんが「子宮頸がん」で、子宮体部にできるがんは「子宮体がん」。子宮頸がんは子宮の入り口付近に発生することが多いので、婦人科の診察で観察や検査がしやすく、また、発見されやすい。早期に発見すれば比較的治療しやすく予後は良いが、進行すると治療が難しいことから、早期発見が重要とされている。進行すると血管やリンパ管を通って、肺など子宮から遠い臓器に転移することもある。参考:がん情報サービス

 

子宮頸がんの要因

子宮頸がんの多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染が関連している。HPVは性交渉で感染するが、多くの場合は感染しても免疫によって排除される。HPVが排除されないと、子宮頸がんの前がん病変や子宮頸がんが発生すると考えられている。喫煙も、子宮頸がん発生のリスクを高める。

 

子宮頸がんの状況

子宮頸がんの罹患数は年間で約11,000例、死亡数は約3,000人。最新のデータをもとに、子宮頸がんの状況について見ていこう。

罹患数、罹患率(年齢別)

最新のデータによると、2019年の子宮頸がん罹患数は10,879(グラフ上段)。女性のがん罹患数1位である乳がんの9分の1ほど。年齢階級別の罹患率は、20代以降で増加しピークは40代(グラフ下段)

 

死亡数、死亡率(年齢別)

2020年の死亡数は2,887で(グラフ上段)、死亡率は年齢とともに高くなる(グラフ下段)

生存率

子宮頸がんの生存率は全がんの中でも高く、がんと診断されてから5年後の生存率を表す「部位別がん5年相対生存率」は、76.5%。ちなみにトップ3は、1位:甲状腺がん(95.8%)、2位:皮膚がん(94.6%)、3位:乳がん(92.3%)。生存率が最も低いのは膵臓がん(8.1%)

がん検診受診率

子宮頸がんの検診受診率は上昇傾向にあり、2022年は43.6%。とは言え乳がん同様に未だ半数にも達しておらず、受診率が60〜80%の欧米と比べると日本は未だ低い状況だ。以下は国内の男女別がん検診受診率の推移。

 

 

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