都道府県のウェルビーイング政策、先進事例5県の特徴と課題
シンクタンクの東京財団政策研究所(東京・港)が今月16日、都道府県のウェルビーイング政策の状況と課題をまとめた研究プログラムの結果を公開した(東京財団政策研究所「都道府県におけるウェルビーイング政策の現状と今後の課題」)。
今年6月に閣議決定された骨太方針2023の中で、「地方自治体におけるWell-being指標の活用を促進する」という記述が盛り込まれたことを受け、まとめたもの。ウェルビーイングに関する取り組みをすでに実施している茨城県、岩手県、熊本県、群馬県、富山県の先進事例を取り上げ、現状と課題を考察した。同研究所の調査によると各県が独自の幸福度指標を用いており、例えば、5県の中で最も早い2012年からウェルビーイング政策に取り組んできた熊本県では、「心身の健康」「仕事関係」「住まい」「消費活動」「自然資源」「防災・治安」など12項目を指標に県民の”幸福量”を算出している。岩手県は2016年から取り組みを開始しており、統計データによる客観的指標と、県民が各質問に5段階で回答する主観的指標を組み合わせるという指標体系を取っている。
同研究所は、各県の独自のウェルビーイング指標が都道府県の政策立案において重要な役割を果たしているものの、各県が独自で取り組んでいることから、全国的な知見が蓄積されづらい状況を指摘している。「ウェルビーイング政策の定義や意義、運用方法、政策評価の方法などについて議論を深める必要がある」とした。
結果を踏まえ同研究所は20日に、都道府県のウェルビーイング政策に関する情報共有、連携強化、優良事例の横展開を目的としたウェビナーを開催する。先進事例として取り上げた5県が登壇し、ウェルビーイング政策の意義、指標構成、調査結果、調査結果が施策につながった具体的事例、政策評価の方法や課題などについて話をする。
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