異業種から女性ヘルスケア市場へ、企業事例5選

女性の健康課題に社会的関心が寄せられる中、女性ヘルスケア市場に参入する企業が相次いでいる。目立つのは美容系企業による参入や、「フェムケア」「ウェルネス」「東洋医学」をキーワードにした参入。この1年でウーマンズラボで紹介した新ブランド・製品・サービスのうち、特にヘルスケア業界人の読者が注目した人気記事をピックアップ。

飲料自販機を活用、生理用品を販売(ダイドードリンコ)

自販機のダイドードリンコから昨年10月、生理用ナプキンを購入できる飲料自販機「女性ヘルスケア応援自動販売機」が登場。同社は、以前より飲料と飲料以外の商品を組み合わせた”コラボ自販機”の展開を進めており、これまでにベビー用おむつ、ストッキング、マスクとのコラボ販売を行なってきた。今後、学校や温浴施設などをはじめ、公共施設や商業施設、駅などで設置を進めていく。

実際にこの自販機を見て触って体験したい人は、今年2月に開催される「第2回ジェンダード・イノベーションEXPO」へ。会場内の5A-11で実物が展示される。

 

女性のウェルネス領域へ、健康と美を実現する新ブランド(資生堂)

資生堂は昨年、ウェルネス市場への参入を発表した。健康美を訴求するインナービューティーブランド「SHISEIDO BEAUTY WELNESS」を立ち上げ、他社と共同研究・開発した商品の販売を今年2月に開始する。先端美容科学と東洋の五臓思想を組み合わせたビューティブーストサプリメント「チューンボーテ」は、漢方のツムラとの共同開発。体内時計に着目した美容ドリンク「ルーティナ」は、カゴメと共同開発。新ブランドを通じて、美容とウェルネスを融合させた新しい価値の創造を目指しており、2025年以降はアジア地域での展開を予定している。

同社のウェルネス市場参入の発表は、ヘルスケア業界でも特に話題になったニュース。昨年9月にウーマンズラボで取り上げた際も、月間の人気記事にランクインした。

 

女性向けの食領域へ、冷凍宅食ブランド(ポーラ)

ポーラも資生堂と同様に、美容の知見を武器に食領域で勝負をかける。昨年7月に開始した新規事業は、忙しい中でも美しさを目指せるよう必要な栄養素と美味しさにこだわった、冷凍宅食惣菜ブランド「BIDISH」。オンライン限定で販売していたが、今年1月から銀座三越本館での常設販売を始める。美容領域で確固たる地位を築く同社開発の美容訴求食品は、説得力大。

 

東洋医学の視点を盛り込んだフェムケア(ワコール)

女性用下着のワコールも、フェムケア市場へ。昨年10月に立ち上げたフェムケアブランド「YOJOY」が展開するのは、デリケートゾーンにも使えるボディ用化粧水、月経周期に寄り添ったアンダーウェア、心身の状態をセルフチェックできるデジタルコンテンツ。特徴的なのは養生の考え方をベースにした点で、東洋医学の視点が盛り込まれている。例えばデジタルコンテンツでは、舌診で数値化された心身の状態をもとに、おすすめの養生や養生食が提案される。

 

低価格帯と高価格帯のデリケートゾーンケア(花王)

スタートアップが主役のデリケートゾーン市場に、持ち前のブランド力とデザインで攻勢をかけたのが、花王。人気のカウンセリング化粧品「トワニー」から、フェムケアに特化した新ライン「トワニーアンドミー」を立ち上げ、昨年9月に洗浄アイテムと保湿アイテムを発売した。

左:洗浄アイテムの「デリケートケアウォッシュ(税込2,750円)」、右:保湿アイテムの「デリケートケアクリーム(税込3,080円)」

 

同社は2020年に、生理用品ブランドの「ロリエ」からもデリケートゾーンの洗浄アイテムを発売しているが、ブランドの世界観は正反対。

洗浄アイテムの「デリケート泡ウォッシュ(700〜900円台)」

 

価格帯が全く異なるので刺さるユーザーも違うが、どちらも人気。現在、アットコスメの「デリケートゾーンケアカテゴリー」で、トワニーアンドミーの「デリケートケアウォッシュ」は2位、ロリエの「デリケート泡ウォッシュ」は11位(2024年1月18日時点)

 

 

 

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