【世界糖尿病デー】糖尿病はどんな性差がある? 合併症のリスク・性機能障害・薬の副作用など
毎年11月14日は「世界糖尿病デー(WDD/World Diabetes Day)」。国際糖尿病連合(IDF/International Diabetes Federation)とWHOによって1991年に制定された。シンボルは青い輪の形をした「ブルーサイクル」。2023年のテーマは「糖尿病ケアへのアクセス」。2型糖尿病の進行を遅らせたり予防のためにリスクを知ることの重要性と、糖尿病関連の合併症の影響の他、治療のための適切な情報とケアへのアクセスの重要性を啓発する。世界糖尿病デーの今日、糖尿病の性差について理解を深めよう。
糖尿病と予備軍2,000万人、女性は10.8%
国内の糖尿病有病者と予備軍は、男女合わせて推計で2,000万人(「糖尿病が強く疑われる者」と「糖尿病の可能性を否定できない者」の計,厚労省「計平成28年国民健康・栄養調査」)。「糖尿病が強く疑われる者」の割合は女性の方が低く、女性10.8%、男性19.7%。男女ともに加齢とともに上昇する。
糖尿病に関する性差、トピック3選
糖尿病の罹患は男性に多いが、合併症のリスクや薬の副作用などには性差があることがわかっており、男女それぞれに適したケアの必要性が指摘されている。糖尿病の性差にまつわる各所の情報を見ていこう。
性機能性障害やインスリン感受性の性差
糖尿病患者と医療従事者に向けた情報サイト「糖尿病ネットワーク(創新社)」では、糖尿病の性差を多様な視点から解説する記事を公開。糖尿病や合併症の現れ方、インスリン感受性、性機能障害などの性差について紹介している(糖尿病ネットワーク「糖尿病と性・性差」)。
血管合併症や薬の副作用のリスクに性差
熊本大学大学院生命科学研究部は糖尿病の血管合併症の性差に注目し、女性の2型糖尿病患者は、男性に比べ糖尿病網膜症と腎機能障害のリスクが高いことを明らかにした。また、糖尿病治療薬の副作用発現のリスクに性差があることもわかった(熊本大学大学院生命科学研究部「糖尿病血管合併症や薬の副作用のリスクに男女差はあるのか?」)。
女性誌からも発信、糖尿病の性差を啓発
女性誌も、性差に言及した記事を発信している。中高年女性向けのライフスタイル誌『家庭画報(世界文化社)』は、男性よりも心臓や脳の重大な血管疾患を引き起こすリスクが高い糖尿病について、研究データを引用しながら啓発している(家庭画報「自分の“糖尿病リスク”を知って、今から対策を! 実践したい生活習慣もご紹介」2022.12)。
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