自殺の理由、顕著な性差は高校生から 小中高生の男女別の原因・動機

厚労省は先月、2022年の自殺の状況を公表し、児童・生徒の自殺者数が514人で過去最多となったことを明らかにした。大人の自殺の原因・動機は男女ともに「健康問題」「経済・生活問題」「家庭問題」が常に上位を占める一方で、子どもは何なのか?2009年から2021年のデータをもとに、厚労省が「令和4年版 自殺対策白書」の中でまとめている。

※本稿内の表は全て「令和4年版 自殺対策白書(厚労省)」の「学生・生徒等の自殺の分析」よりウーマンズラボが作成

小学生の自殺理由(男女別)

小学生の自殺の原因・動機は、男女ともに「不詳」が最多で半数近くを占め、続いて「家庭問題」が多いのが特徴。「不詳」を除いたトップ3の順位は男女同じで、「1位:家庭問題」「2位:学校問題」「3位:健康問題」。

 

中学生の自殺理由(男女別)

中学生になると男女ともに「不詳」「家庭問題」がやや減少し、代わって「学校問題」と「健康問題」が増える。「不詳」を除いたトップ3の順位は男女ともに同じで「1位:学校問題」「2位:家庭問題」「3位:健康問題」だが、女子はいずれの項目も男子より割合が高い。一方で女子より男子の割合が高いのは「不詳」。

 

高校生の自殺理由(男女別)

高校生になると男女ともに「不詳」「家庭問題」がさらに減少し、トップ3の順位に性差が現れてくる。女子は「健康問題」が最多で、上位を占めるのは「うつ病」「その他の精神疾患」「統合失調症」。メンタル面の健康問題が動機になりやすいのが特徴。一方で男子は「学校問題」が最多で、内訳では「学業不振」と「進路に関する悩み」が多い。

 

 

【編集部おすすめ記事】
「子どもの自殺」過去最多で対策強化 文科省がアンケートマニュアルを初めて作成
女性の自殺者増加は、女性特有の働き方と働き先も影響
国際比較で見えてくる、自殺死亡率が高い日本の若者
女性ヘルスケア白書2023年度 市場動向予測

PAGE TOP
×