日本女性の全がん罹患率、世界70カ国・455地域別のランキングサマリー 国立がん研

日本の女性のがん罹患率は、世界と比べ高いのか?あるいは低いのか?WHOに所属する国際がん研究機関(IARC)と国際がん登録協議会(IACR)が主導するレポート「5大陸のがん罹患率第12版(Cancer Incidence in 5 Continents)」を元に国立がん研究センターがサマリーを発表した。世界のがん罹患状況をまとめた当レポートは5年ごとに発行され、各国のがん対策に役立てられる。第12版は日本(※)を含む全世界70カ国、455地域のデータを分析した過去最大のレポートで、日本のがんの特徴やアジア諸国との類似、欧米諸国との相違を明らかにした。以下は、現在公表されているサマリー。※日本全体のデータと、今回の調査で採用された7府県(青森,宮城,秋田,群馬,愛知,大阪,広島)の個別データを使用

日本のがん罹患率の特徴、サマリー

<欧米より罹患率が高いがん>

  • 女性の「子宮頸がん」
  • 男性の「肺がん」
  • 男女の「胃がん」「肝臓がん」「胆のう・胆管がん」「膵臓がん」「大腸がん」「食道がん」「大腸がん」

<欧米より罹患率が低いがん>

  • 女性の「乳がん」「肺がん」
  • 男性の「前立腺がん」
  • 男女の「皮膚がん」「膀胱がん」「脳・中枢神経系がん」「血液がん」「口腔・咽頭がん」「喉頭がん」「腎・尿路がん」

<欧米と罹患率が同等のがん>

  • 女性の子宮体がんと卵巣がん

女性の全がん罹患率、世界の地域別ランキング

女性の全がん罹患率を国または地域別にランキングしたところ、最も罹患率が高いのは英国(イングランド)で、日本(全体)は15位だった。

  • 1位:英国(イングランド)
  • 2位:オーストラリア(クイーンズランド州)
  • 3位:ノルウェー(全体)
  • 4位:米国(SEER 白人非ヒスパニック)
  • 5位:ドイツ(ハンブルク)
  • 6位:フランス(イゼール県)
  • 7位:ブラジル(ゴイアニア州)
  • 8位:日本(青森県)
  • 9位:日本(広島県)
  • 10位:韓国(全体)
  • 11位:日本(宮城県)
  • 12位:日本(秋田県)
  • 13位:日本(大阪府)
  • 14位:イタリア(ヴァレーゼ)
  • 15位:日本(全体)
  • 16位:中国(上海市)
  • 17位:日本(群馬県)
  • 18位:シンガポール(全体)
  • 19位:日本(愛知県)
  • 20位:タイ(バンコク)
  • 21位:モロッコ(カサブランカ)
  • 22位:インド(ムンバイ)
女性の全がん罹患率、世界の地域別ランキング

【出典】国立がん研究センター(女性の全がんの罹患率ランキング)

 

調査結果を踏まえ同センターは、ワクチン接種や検診による早期発見で罹患を予防できる「子宮頸がん」「乳がん」「大腸がん」の罹患率の高さや罹患数の増加を指摘。日本のがん予防対策の後れや、がん検診促進の必要性を訴えた。詳報は現在準備中。前回の詳報レポートはWHOのHPよりダウンロードできる。

 

 

フェムテックレポート ビジネスモデル、需要性、課題

 

 

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