期待の新市場アフリカ、「エチオピア」ってどんな国?最新の消費トレンド
急速な経済成長、人口増加、豊富な資源などを背景に新たな期待市場として注目される一方で、日本との地理的距離や文化的な違いから、リアルなBtoC市場やトレンド情報が見えづらいアフリカ。そんなアフリカの人たちのライフスタイルや消費動向を紹介する、アフリカライフスタイルレポート(JETRO)。その中から、今回は先月公開された「エチオピア編」を紹介。エチオピアって、どんな市場?
目次
概要:人口は世界トップ10
- エチオピアの国土面積は日本の約3倍
- 人口は1億3,550万人で、世界で10番目に多い
- 人口は増加しており、2050年までに2億2,500万人に達し世界7位に
- 労働年齢人口(15~59歳)は約7,600万人で、2050年には1億4,000万人に増加すると予測
- 急速に都市化が進んでいるものの、他のアフリカ諸国と比べ依然として農村部が大半を占めている
- エチオピアに拠点を置く日本企業は13社(三菱商事、伊藤忠商事、丸紅、住友商事など)
通信状況:ネットユーザーは総人口の21%
- スマホを除く携帯電話の普及率は約63%
- インターネットユーザー数は推計で約2,860万人で、総人口の約21%
消費者動向:ブランド志向も価格を重視
- 消費者市場は、急速に拡大する人口と若年層の多さ、経済成長に伴う家計支出の増加を背景に成長を続けている
- エチオピアの首都アディスアベバの若年消費者は、ファッション、エンタメ、飲食など多岐にわたる分野においてブランド志向が強い一方で、価格を重視した購買行動をとることが多い
- 利便性を重視した消費へのシフトが顕著で、オンラインショッピングやフードデリバリーの利用も広がっている
- 消費者の興味を引き付ける建築デザインやトレンドの設備を備えた現代的なショッピングモールが次々と登場している
- 利便性やパッケージ商品に対する上流中流層の需要の高まりを背景に、スーパーマーケットは、着実に店舗展開を進めている
- 2025年現在、エチオピア市場には主要な国際的なスーパーマーケットチェーンは進出しておらず、地元企業が独占している
美容市場:ビューティテックの開発も台頭
- アディスアベバの若者が近年の美容市場を牽引
- TikTokやInstagramを筆頭に、SNSは美容の好みを形作る中心的な役割を果たしている
- 地元製でメラニン肌に優しい化粧品への需要が高まる中、ブティック型の店舗やECプラットフォームの拡大が続いている
- デジタルに精通した若者世代の期待に応えるため、ビューティーテックの開発も台頭している
- 美容業界ではヘアケアとスタイリングが中心的役割を果たし、トリートメントから編み込み、エクステンション、人毛、ウィッグの使用まで、多くの女性が定期的にサロンを訪れている
- 美容製品やサロンサービスの需要は、主に断食期間直前の結婚式が集中する時期に大幅に増加
- アディスアベバの女性の間では、メイクアップは大人気で、これまで、プロのメイクアップサービスは結婚式前に利用することが多かったが、近年は誕生日、卒業式、写真撮影、週末の外出など、よりカジュアルなイベントの前に利用する女性が急増
- 美容に対する価値観の変化やSNSによる影響が背景にある
スポーツ:若者のスポーツ文化が発展
- アディスアベバでは、定番のサッカーと人気上昇中のジムトレーニングを筆頭に、若者のスポーツ文化が盛んに発展
- 都市開発の一環として、市内に新たなサッカー場が次々と整備され、同時にジム、スポーツウェア、フィットネスアクセサリーの需要も増加
食:SNSが飲食行動に影響
- 「TikTokで見た目が良ければ、そこへ行く」が、アディスアベバの若者たちの新しい食のモットー
- SNSを個人利用する若者から数千人のフォロワーを持つインフルエンサーに至るまで、SNSが彼らの飲食行動に大きな影響
- TikTokやInstagramは街の主要なグルメガイドとなっており、いつでも情報を入手可能
- 多くの人々にとって、味だけでなく、見た目、雰囲気、そしてSNS映えすることが重要
- 寿司でもファストフードでも、カメラ映えするものがテーブルに並ぶ
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