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民間の障がい者雇用、初の70万人突破も法定率達成は半数届かず 厚労省調査

厚生労働省は2025年12月、従業員40人以上の民間企業で働く障がい者の数が、2025年6月時点で’24年比4.0%増の70万4610人だったと発表した。雇用者数は22年連続で過去最多を更新し、初めて70万人の大台に乗った。一方で、全従業員に占める障がい者の割合を示す実雇用率は2.41%で前年と同水準にとどまり、法定雇用率の2.5%には届かなかった。障がい者の社会参加が進む中、算出の分母となる従業員数の範囲が広がったことなどが数値に影響しており、企業側の受け入れ体制の整備は依然、急務となっている。

民間企業の雇用状況を障がい種別に見ると、身体障がい者が37万3914.5人(’24年比1.3%増)、知的障がい者が16万2153.5人(同2.8%増)と微増だった。これに対し、精神障がい者は16万8542人(同11.8%増)と大幅に増加した。近年、精神障がい者の新規雇用や職場定着が進んでいる傾向が色濃く反映された形だ。

雇用者数が約2万7千人も増えたにもかかわらず、実雇用率が2.41%と横ばいになった背景には、今年4月に実施された制度変更がある。医療や建設、運輸などの業種では、障がい者の就業が難しいとして、社員数の一部をカウントしなくてもよい「除外率」という緩和措置が設けられてきた。今回、従業員数を少なく見積もることができる特例(除外率)が一律10ポイント縮小された結果、計算上の社員数が増え、雇用の義務が生じる人数も増えた。これにより、企業が達成すべき障がい者雇用のハードルが上がった形だ。

この影響もあり、法定雇用率を達成した企業の割合は46.0%にとどまり、半数以上の企業が基準を満たしていない現状が浮き彫りになった。

企業規模別の格差も依然として大きい。従業員1000人以上の大企業では実雇用率が2.69%と法定率をクリアしているのに対し、100人未満の中小企業では1.94%と低迷。不足している障がい者の数が0.5人または1人という企業が、未達成企業全体の6割以上を占め、中小企業における最初の一人の採用や定着に向けた支援が課題となっている。

国や地方公共団体などの公的機関(法定雇用率2.8%)の状況も公表された。国の機関は実雇用率3.04%、都道府県は3.03%といずれも法定率を上回った。一方で、市町村は2.69%、公立学校の教職員らを雇用する都道府県などの教育委員会は2.31%と法定率を下回り、教育現場での雇用が進んでいない現状が明らかになった。

障がい者の法定雇用率は段階的に引き上げられている。’26年7月には2.7%となる予定。企業や公的機関には、単なる数合わせではない、障がいの特性に応じた業務の切り出しや職場環境の改善など、質の高い雇用への転換が一層求められている。調査は、障害者雇用促進法に基づき、雇用義務のある民間企業(従業員40人以上)や公的機関などを対象に実施した。

 

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