慢性便秘症に新知見、排便をつかさどる脳中枢の仕組みを解明 九州大学
九州大学の小川佳宏主幹教授らの研究グループは、排便を制御する脳中枢の仕組みを世界で初めて解明した。成果は今年10月、米国の医学誌「Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology」に掲載された。
慢性便秘症はQOLを損なうだけでなく、循環器疾患や脳血管疾患のリスクを高め、生命予後にも影響する。慢性便秘症患者の生存率は、健常人よりも15年生存率が20%以上低いことが明らかになっている。他方、排便には中枢神経系が関与するが、具体的な脳内の制御機構は未解明だった。
研究グループは、マウスを用いて4種類の異なる最先端の神経科学的手法を組み合わせることにより、排便中枢の探索と機能解析を実施。その結果、脳幹の橋にある「バリントン核」という神経核が、排便を制御する中枢であることを世界で初めて実証した。さらに、同核内の2種類の異なる神経群(VGluT2神経とCRH神経)が、それぞれ異なるタイプの排便反応を担うことを明らかにした。具体的には、「VGluT2神経」が即時かつ非持続的な腸管収縮を引き起こし、排便開始時のぜん動に関与。一方、「CRH神経」は遅れて持続する腸管収縮を担い、排便の持続に関与していた。また、視床下部室傍核や腹外側部水道周囲灰白質といった上位中枢が、これらの神経を調節し、排便調整に関与していることも明らかになった。
研究グループは、「排便を制御する脳の中枢を明らかにし、2種類の神経群が異なる役割で排便を引き起こすことを解明した」とコメント。「今回の成果は、慢性便秘症の病態理解を進めるとともに、新たな治療法の開発につながることが期待される」としている。
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