女性の健康総合センター、思春期の月経に特化した外来を新設 隠れた疾患の早期発見も
女性の健康総合センターが成育医療研究センター内に設置した女性総合診療センターで、「思春期月経外来」が始まった。18歳未満が対象で、「生理がこない」「生理の量が多い」といった症状に対応する。
子どもの生理の悩みは、「小児科に相談すべきか?それとも婦人科がよいのか?」と迷いやすい。同センターによると、「海外では『Pediatric and Adolescent Gynecology(小児・思春期婦人科)』という専門領域があるが、国内の体制はまだ十分ではない」という。思春期特有の心身の悩みを専門的に診る外来としては、国内では「思春期外来」「児童思春期外来」「児童・思春期精神科」などがあり、普及は限定的だが、主に大学病院や総合病院、都市部のクリニックなどが設置している。
同センターが今回新たに設置したのは、「思春期外来」の中でも「月経」に特化させたもので、女性総合診療センター内で昨年10月に診療が始まった「女性外科・婦人科」の中に位置付けた。小児科医が診察し、必要に応じて原因となる病気がないかを調べて婦人科医へつなぐ体制。これにより、思春期の「生理がこない」「生理の量が多い」といった症状への治療が受けやすくなる。同時に、性分化疾患や内分泌疾患といった、生理トラブルの背景にある病気を早期に発見できる可能性も広げられる。女性の健康総合センターセンター長の小宮ひろみ氏によると、「慢性疾患がない思春期女性の患者さんも診療しているが、慢性疾患がある患者さんが月経関連症状で多く受診している」という。
現在はセンター内の患者が対象で、小児科や他の診療科を受診した患者を、必要に応じて「思春期月経外来」で診療する流れだが、今後はセンター外の患者にも対象を拡大していきたいとしている。
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