2025年のフェムテック施策はどうなる? 政府が示した今年の方針を要約
今月10日に閣議決定された「女性版骨太の方針2025」では、女性の健康推進を強化するにあたってフェムテックの利活用や普及に向けた具体的な施策が明記された。今回の方針では、セルフケアやセルフチェックの製品・サービスの開発支援に加え、医療機関や研究機関との連携体制の構築、製品・サービスの品質担保に向けたガイドラインや認証制度の整備、中小企業や自治体による活用推進など、実用段階に即した取組が盛り込まれた。補助金などの支援制度と組み合わせながら展開する見通しで、環境整備の加速でフェムテックの社会実装を後押しする考えだ。
今年度のフェムテックに関する強化施策や推進項目など、具体的な取り組みは以下。女性の健康政策の全体像はこちら。
- 女性のセルフチェック・セルフケアを促進するため、フェムテック事業者が、医療機関や女性の健康総合センター、その他の研究機関と連携し、AMEDの補助金なども活用しなが ら、ニーズの把握や製品開発ができるよう推進する。医薬品・医療機器の研究開発プロセスにおいても女性特有の健康課題に留意するよう推進する
- 良質なフェムテックが評価されて社会に普及するよう、品質や広告表現に関するガイドラインの策定・拡充に向けた検討を進める
- 質の担保されたフェムテックが消費者に届くよう、第三者認証や自己宣言などを含む品質担保スキームを検討する業界団体を支援する
- 中小企業での活用促進に向け、フェムテックの利用を支援するとともに、気軽にフェムテックを体験できる機会を提供する施策を講じる
- フェムテック等サポートサービス実証事業の成果の普及を通じて、企業における好事例の創出を図り、自治体や中小企業への横展開に取り組む
- 女性の健康に関する取組の効果検証プロジェクトを実施し、施策の実施前後でどのような効果があったかを明らかにする
- 女性の健康課題によって生じる労働損失を再試算するにあたり、産後うつなど妊娠・出産・産後 の不調にかかわる要素も考慮する
- 女性の生涯にわたる健康課題を幅広くカバーするため、女性の健康総合センターによる基盤データの収集を推進する。推進にあたってはフェムテック事業者の協力を得て利用者のデータを匿名化し、 個人情報の保護に配慮した上でデータベースを構築し、研究に活用する
- 女性の健康・疾病に関する医薬品や医療機器の研究開発の推進を検討する
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