国内初、女性活躍推進に特化した「スタートアップ支援ファンド」を設立 東京都
東京都は今月7日、女性活躍推進に特化した「スタートアップ支援ファンド」の設立を発表した。東京都と民間企業(三菱UFJ銀行、三菱地所、塩野義製薬、あすか製薬、JERAなど)による出資で、ファンド規模は80億円以上となる見込み。運営事業者は、ESG重視の投資を行うMPower(代表者:キャシー松井)と、女性のウェルビーイング領域で投資を行うNEXTBLUE(代表者:井上加奈子)。「女性起業家」と「女性活躍の推進に資するサービス・商品を持つ」スタートアップに100%特化したベンチャーファンド設立は、国内初。経済的リターンと社会インパクトの両立を狙う。
投資対象は東京都内を拠点とする企業で、女性が創業したアーリーステージのスタートアップと、女性活躍の推進等に資する技術・サービスを展開するスタートアップ。後者は、創業者が男性でも構わない。製品・サービスの業種は問わず、例えばフェムテック、子育て支援、ビジネスケアラー支援、就業マッチングなどが該当する。
日本におけるスタートアップ投資はこの10年で10倍になったものの、女性起業家への投資額は全体のわずか2%という、極めて低い水準にある。一方で、女性創業者の数は年々増加し、新規起業の34%は女性が占め、優れた女性創業のスタートアップと女性関連ビジネスが資金調達に困難を抱えることで、イノベーションが阻害され経済の活力が失われている。同時に、市場が見逃している大きな投資機会が存在するとの背景から、女性に特化した設立に至った。
設立に際しNEXTBLUEは、女性起業家への出資による効果に言及し、次のように述べている。「女性起業家に出資をしていくことは、社会インパクトだけでなく、財務面でも大きな利点があります。BCGとMassChallengeの調査によると、女性主導の企業は男性主導の企業に比べ、投資収益率(ROI)が35%高いことが示されています。また、女性起業家は未開拓の市場機会を開拓し、十分に代表されていない市場に取り組むことが多いことも特徴です。彼女たちの多様な視点や経験は、より幅広い社会集団に対応する革新的なソリューションや製品に繋がると確信しています」
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