国内初、女性の健康に特化した研究拠点「女性の健康総合センター」開設、 企業と連携するオープンイノベーションセンターも
女性特有の健康問題に特化した研究・診療の司令塔として機能する「女性の健康総合センター」が、国立成育医療研究センター(東京・世田谷)内に今月1日、開所した。若年層から老年期まで、各ライフステージ特有の性差に着目し、女性の生涯の健康を包括的に支援することを目指す。センター長の小宮ひろみ氏は開所式で、「司令塔機能を果たしていきたい」と抱負を述べ、合わせて、性差医学の推進の必要性を強調した。
同センターでは次の5つを柱に、全国の医療機関や自治体、企業と連携し、取り組みを推進していく。
- データセンターの構築
- 女性のライフコースと性差を踏まえた基礎研究・臨床研究の積極的な推進
- 情報収集・発信、政策提言
- 女性の体とこころのケア
- 女性に特化した診療機能の拡充
「女性のライフコースと性差を踏まえた基礎研究・臨床研究の推進」では、全年代における特有の健康問題に着目し、性差視点で研究を進める。月経異常や不妊など女性のみに起こる健康問題のみならず、生活習慣病など男女共通疾患における性差にも着目し、男女で異なる病態の解明にも注力する。
推進にあたっては幅広い外部リソースとの連携が必要なことから、ヘルスサイエンス領域の大手企業からスタートアップまで、多様な企業とのネットワーキングや協働の機会創出を図る「オープンイノベーションセンター」も設置する。1日にオープンイノベーションセンター準備室を発足し、本格的な稼働は2026年度を予定。
「女性に特化した診療機能の拡充」については、女性内科、女性外科/婦人科、不妊診療科、女性精神科、女性歯科を設置し、幅広い診療を提供していく。
女性に特化した総合病院も研究拠点も、これまでに国内にはなく、同センターが初となる。政府は同センターの構築に向け今年度に22億円を投じており、女性ヘルスケア市場拡大の加速を後押しするとして、業界でも高い期待が寄せられる。同センターの建物は2027年度中に完成予定、50人体制で開始する。
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