ゴルフを「競技・娯楽」から「健康寿命産業」へ再編集、医療連携も 新しいウェルネスの可能性

4月29日、相模原市のゴルフ練習場「ボールパーク」において、「健康ゴルフフェスタ2026 in ボールパーク」が開催された。本イベントは、「ボールパーク春まつり29周年謝恩イベント」の一環として実施されたもので、主催はボールパーク、協力は一般社団法人日本健康ゴルフ共創機構(JWGC)、後援はゴルフスクールGHS(有限会社ゴルフハウス湘南)。近年、健康寿命延伸やフレイル予防への関心が高まる中、“スポーツを健康づくりにどう活かすか”が新たなテーマとなっている。そうした流れの中で、ゴルフを単なる競技や娯楽ではなく、「健康増進」や「予防」の視点から再編集しようという動きが始まっている。今回のイベントは、その具体的な試みの一つと言える。会場では、「転倒リスク計測会」「健康ゴルフセミナー」「ゴルフフィットネス体験会」の3部構成でプログラムが実施された。

ゴルフは「健康寿命産業」になれるのか  新しいウェルネスの可能性

【出典】J-wellness media

「飛距離アップ」の先にある身体機能改善

転倒リスク計測会では、ゴルフに不可欠な“バランス能力”に着目。加齢とともに低下しやすい身体機能を可視化することで、自身の身体状態を知る機会となった。また、「転ばぬ先のゴルフ学!」をテーマにした健康ゴルフセミナーでは、元気にゴルフを続けるための身体づくりや健康知識が紹介された。特に印象的だったのは、「飛距離アップ」を入り口にしながら、その背景に“身体機能改善”という視点が組み込まれていた点である。ゴルフフィットネス体験会では、身体を動かした直後に打席で実際にボールを打つ構成となっており、参加者は身体の変化をその場で体感していた。参加者からは、「スイングが楽になった」「身体がスムーズに回るようになった」「背中がほぐれてスッキリした」など、多くの感想が寄せられた。単なる筋力トレーニングではなく、「動きやすさ」や「快適性」を実感するプログラムであったことが特徴的だった。

ゴルフは「健康寿命産業」になれるのか  新しいウェルネスの可能性

【出典】J-wellness media

 

「医療とウェルネス」の接近

さらに、八王子みなみ野心臓リハビリテーションクリニック院長で循環器内科専門医の二階堂暁は、「呼吸筋が鍛えられることで深い呼吸が可能となり、心臓リハビリの観点からも効果が期待できる」とコメントしている。ここには、近年世界的に進む「医療とウェルネスの接近」という流れも感じられる。従来、医療は“治療”が中心だった。しかし現在は”予防”という観点から、運動、睡眠、食事、地域交流など、日常生活全体を通じた健康維持へと視点が広がり始めている。

その意味でゴルフは、「歩く」「身体を動かす」「自然の中で過ごす」「人と交流する」「継続しやすい」といった複数の健康要素を内包した、“ウェルネス型スポーツ”として再評価される可能性を持つ。特にシニア世代では、「健康のために運動する」という義務感だけでは継続が難しい。一方、ゴルフには“楽しみながら続けられる”という特徴がある。今回のイベントでも、“鍛える”より、“気持ちよく動ける”ことに重点が置かれていた点が印象的だった。 JWGCでは現在、「医療連携型・健康ゴルフスクール」の開校準備も進めているという。もし今後、医療、フィットネス、地域コミュニティ、ゴルフ産業が連携していけば、ゴルフは単なるスポーツ産業ではなく、「健康寿命社会」を支える新たな地域ウェルネスインフラとしての役割を持つ可能性もある。今回の「健康ゴルフフェスタ2026」は、その未来の入口を感じさせる取り組みだった。

 

JWM視点:ゴルフは「回復型スポーツ」へ進化するのか

今回のイベントで印象的だったのは、ゴルフを単なる競技ではなく、「健康寿命」「回復」「予防」という文脈で再編集しようとしていた点である。世界では “身体を整えるスポーツ”への関心が高まっているという。その中でゴルフは、「自然」「歩行」 「呼吸」 「バランス」 「社会交流」 継続性 を兼ね備えた、極めて日本社会と相性の良いスポーツと言える。特に日本では、“頑張る健康”より、“気持ちよく続けられる健康”が重要になり始めている。今回のイベントで共有された、「飛距離アップの先に健康がある」という発想は、まさにその象徴だった。ゴルフは今後、“競技”から“ウェルネス”へと、新たな価値を獲得していくのかもしれない。

【執筆】 J-wellness media

 

JWM(J-wellness media)』は、世界のウェルネスの潮流、日本の養生文化、そして社会と産業の視点を結びながら、日本のウェルネスの姿を編集し、発信するWEBメディアです。内容は、世界(世界のウェルネス動向、海外市場、Longevityなどグローバルな潮流)、文化(温泉、養生、食など、日本の生活文化に根ざしたウェルネス)、ビジネス(美容、健康、スポーツなど、ウェルネス産業のビジネス動向を分析)、地域(温泉地や地域資を活かしたウェルネスツーリズムや地域実践)、未来(AI、データヘルスなど、これからのウェルネスの可能性)など(運営:JWM)。

 

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