国連「健康の権利」特別報告者が来日、日本が性教育後進国から脱却するには「SRHRを人権の視点で」

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ジョイセフは今月7〜9日、世界人口デー(7月11日)を前に、国連「健康の権利」特別報告者のトラレン・モフォケン医師を招き、SRHR(性と生殖に関する健康と権利)や包括的性教育をテーマとした3日間のイベントを開催した。上智大学での公開講演会、衆議院第一議員会館での国会議員向け勉強会、報道関係者向け勉強会の3企画に、会場とオンラインを合わせて延べ470人が参加した。

最終日の報道関係者向けの勉強会では、「日本が性教育後進国から脱却するためには」をテーマに、モフォケン氏が「人権としての包括的性教育」について基調講演を行った。法学者の谷口真由美氏との対談では、世界から見た日本の性教育の現状や、包括的性教育が人権教育として果たす役割、少子化対策とSRHR、日本に求められる教育のあり方などについて議論した。

【撮影】編集部(SRHRについて対談するモフォケン氏<左>と谷口真由美氏<右>)

 

日本では、性教育や性暴力対策、中絶などを巡り、国際基準との隔たりが指摘されている。勉強会では、こうした現状を踏まえ、人権の視点から包括的性教育やSRHRを社会に根付かせるための考え方や情報発信のあり方が示された。モフォケン氏は、SRHRを巡るスティグマ(偏見や差別意識)が、社会や組織内、家庭内などにあると、反発や抵抗感から理解が広がりにくいと指摘。「SRHRは人権の視点で語らなければ社会には浸透しない」と述べ、メディアや企業など情報発信に携わる側にも、人権の意味を正しく理解した上で発信する姿勢が必要だと話した。周囲の理解を促す上では、客観的なデータを用いて課題や影響を示すことも有効だとの考えも示した。

モフォケン氏が訴えるのは、SRHRを単なる性教育や医療の問題ではなく、一人ひとりの自己決定権や尊厳、差別の禁止に関わる人権の問題として捉える重要性だ。その例として、妊娠中の人の呼び方を挙げた。「pregnant mother(妊娠中の母親)」ではなく、「pregnant person(妊娠している人)」という表現を用いることが望ましいとの考えを示し、妊娠した人が出産するかどうかは本人が決めることであり、周囲が一律に「母親」と位置付けるべきではないと述べた。言葉の選び方にも、本人の自己決定権や尊厳を尊重する視点が必要だとした。

【撮影】編集部(報道関係者向け勉強会で配布された「国際人権基準に基づくSRHRハンドブック(ジョイセフ)」。SRHRに関する基礎知識や、国際基準と日本の現状の比較などをもとに、解決が求められる国内の課題などを整理している)

 

モフォケン氏は医師で、各国における「健康の権利」の実現状況を調査し、国連に報告・提言を行う「健康の権利」特別報告者を務める。女性のSRHRの推進や、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現に向けた活動に取り組み、2021年にはBBC「100人の女性」に選出された。

 

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