セルフケア需要で高まる「足つぼ」人気、季節や性別から読み解く市場動向と商品・サービス事例
2025年の新語・流行語大賞にもノミネートされた「薬膳」ブームや、フェムテックの影響から追い風にある漢方人気を契機に、今、女性たちの間では中医学や伝統医学への関心が高まっています。その一つが「足つぼ」。トレンドに左右されることなく、不動の人気サービスとして広く定着しています。そんな足つぼ市場の国内動向について、婦人科系専門の足つぼメソッドを開発した株式会社ONE DE MAYUが解説します。
足つぼ市場の動向
女性市場は1446億円で拡大中
近年、足つぼを含めたリラクゼーション市場は右肩上がりの成長を見せています。特に注目すべきは、服を脱がずに施術を受けられる「着衣施術(整体・もみほぐし・足つぼ)」の人気です。リクルートの推計によれば、2025年の女性向け着衣施術市場は1446億円(前年比4.2%増)、男性市場は1352億円(同14.9%増)と、男女ともに需要が伸びています。コロナ禍を経て「手軽さ」「衛生面」からも着衣施術に支持が集まっているようです。一方で、アロマトリートメントなどの「脱衣施術」は女性583億円(同2.5%減)、男性418億円(同18.5%減)と減少傾向にあり、服を脱がないスタイルのリクゼーションサービスに、特に人気が集まっています。
季節で変動するニーズ
足つぼへの関心は、夏に向けて高まる傾向があります。Googleトレンドによると、「足つぼ」というキーワードの検索ボリュームは、毎年6〜8月にかけて上昇します。これは、クーラーによる冷え(冷房病)、レジャーや旅行による歩行疲労、サンダルによる足の露出によるフットケア意識の向上といった要因が関係しています。つまり、足つぼは「季節商材」としての側面も持ち合わせており、夏に向けたプロモーション戦略が功を奏す可能性があります。
一方で、足つぼのニーズは夏に限られるものではありません。中医学では、季節ごとに身体の状態が変化し、そのサインが足裏に現れると考えられています。秋は「乾燥の季節」。足裏のカサつきが気になり始める人が増えますが、これは足だけでなく、身体全体が乾燥傾向にあるサインとも捉えられます。この時期は喉や鼻の不調、風邪を引きやすくなる人も多く、足裏のケアで巡りと潤いを保つことが、冬に向けた体調管理につながるとされています。冬になると冷えが本格化し、特に女性では踵のひび割れや強い乾燥が見られることもあります。中医学的には、下半身や内臓周りの冷えが影響している可能性があり、足つぼによる血行促進や、足湯と組み合わせた温活ケアの需要が高まる季節です。実際に、足を温めることで全身が温まり、冷え対策として習慣化する人も少なくありません。
そして春は、冬に溜め込んだものを排出する「デトックスと成長の季節」。花粉症や肌トラブルなどの不調が出やすい時期でもあり、足つぼで巡りを整え、排出をサポートするケアが求められます。このタイミングで整えることで、体調の立て直しがスムーズになると考えられています。中医学では、「前の季節の過ごし方が、次の季節の体調に現れる」とされます。
足つぼは、こうした季節ごとの身体の変化に合わせて取り入れやすいケアであり、夏だけでなく一年を通じてニーズが変化する点も、市場としての強みといえるでしょう。
「古典的リラク」から「効率的なヘルスケア」へ
近年は“癒し”を求めるだけでなく、短時間で成果が得られる「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の消費行動が主流となっています。足つぼも“効率的なセルフケア”として再評価されており、現代人のライフスタイルに合った存在へと進化しています。
男女で異なる足つぼに求めるコト
女性は「冷え」「むくみ」「肩こり」「フェムケア」
女性にとって足つぼは、冷えやむくみの解消に効果的です。近年はフェムケア領域でも関心が高まっています。実際に、当社がこれまでに店舗やイベントでの施術を通じて、女性のお客様から多く寄せられたニーズとしては、「足の冷え」が最も多く、次いで「むくみ」「肩こり」が挙げられます。さらに、生理痛や生理不順、子宮筋腫など、女性特有の不調に関する相談も少なくありません。足裏にある特定の部位が全身の器官とつながっているとする足反射区療法に基づいた足裏への刺激は、こうした体調管理を目的としたセルフケアとして支持されています。
男性は「コンディション管理」
男性の場合、足つぼに求めるのは「癒やし」よりもコンディション管理の側面が強い傾向があります。当社は企業に出張して足つぼの施術もしているのですが、男性従業員の方からは、「疲労感」「ストレス」「睡眠不足」に加え、「運動不足」や「血圧が気になる」といったリクエストが多く聞かれました。意外にも、男性でも足先の冷えを訴えるケースは少なくありません。足つぼは、仕事のパフォーマンス維持を目的とした“メンテナンス投資”としても受け止められています。
足裏からのアプローチでヘルスケア、商品・サービス事例
足裏の刺激を通じた全身のケアやリラックスを提供しようと、各社がさまざまな商品・サービスを開発しています。足裏ケアによるセルフケアは、多くの人にとって身近な方法です。国内の商品・サービス事例を見ていきましょう。
足裏のツボを刺激しながら冷却「休足時間」(ライオン)
高含水ジェルと“圧着つぶ”によって足裏を心地よく刺激しながら、優れた冷却感でリフレッシュできる「休足時間」は、5種のハーブ成分が配合された足裏用シートです。「ツボ刺激が気持ちいい」「翌日スッキリした」といった評価がある一方で、足裏のツボ刺激に慣れていない方や刺激に弱い方には、やや強く感じられるという声も見られます。“冷却×刺激”という特長から、特に夏場の疲労や冷房による足のだるさ対策といったニーズと相性の良い商品といえるでしょう。
足裏のコリを磁気でケア「足裏バンド」(ピップエレキバン)
磁気の作用で装着部位のこり緩和や血行改善を図る管理医療機器「足裏バンド」は、足裏に装着するだけでケアできる手軽さが特長です。洗って繰り返し使用できる設計で、「寝る前につけるだけで手軽」「身体の痛みなどがとても楽になった」「何度でも使えるのでコストパフォーマンスが良い」といった評価も見られます。日常生活の中で“ながらケア”が可能な点は、忙しい層にとっても無理なく継続しやすい要素といえるでしょう。
リアルなもみ心地を追求「プロもみ フットマッサージャー」(アテックス)
足裏に突出した“もみ玉”と、緩急をつけた独自機能により、指圧のようなもみ心地を追求した「プロもみフットマッサージャー」は、エアバッグやヒーターも搭載した、立体的な刺激を提供する家庭用機器です。「イタ気持ちいい」「終わった後にスッキリする」といった声が見られるほか、父の日や母の日などのギフト用途として選ばれるケースもあります。比較的しっかりとした刺激を好む層のニーズを満たしやすく、疲労や睡眠に悩む男性層とも親和性の高い製品といえるでしょう。
日本人好みに開発したリフレ、全国にサロン展開(クイーンズウェイ)
英国式リフレクソロジーをベースに、日本人好みに“イタ気持ちいい”強さで開発した施術を提供するクイーンズウェイは、足裏反射区への刺激を通じてリラックスを促す、全国に42店舗を展開するリフレ専門サロンです。サロンでの施術体験をきっかけに、自宅でのセルフケアの実践へと自然に誘導できるモデルケースの一つといえるでしょう。
徹底的にあしにフォーカス、「あしピラ」「あしヨガ」(zen place)
足に特化したプログラム「あしピラ」「あしヨガ」は、足のトラブル対策として立ち方や歩き方を見直し、トラブルが起きにくい身体づくりを目指すエクササイズです。足つぼと組み合わせることで、“刺激するケア”に加えて“足の使い方を整える”という流れを生み出すことができ、より包括的な足ケアができる事例といえるでしょう。
足つぼは女性の安定した関心が見込める分野
市場規模の拡大や商品・サービスの多様化、そして男女それぞれの具体的なニーズの存在からも分かるように、足つぼはすでに手軽なヘルスケアの一つとして、広く生活の中に定着しています。昨今は疲労回復に対するニーズも強くなっているため、リラックスを目的にした利用層も増えています。季節による需要変動も含め、「リトリート」や「ウェルネス」への関心の高まりも後押しとなり、今後も安定した関心が見込まれる分野といえるでしょう。次回は、当社がこれまでに店舗やイベントで実施してきた足つぼ施術の様子をご紹介しながら、実際に女性のお客様から寄せられた具体的な声をお伝えします。
婦人科系専門の足つぼメソッドを開発し、日本初の「婦人科足つぼスクール」を2012年から運営。25年12月に発売した書籍『神あしつぼ 毎朝3分、足をケアすれば人生はもっと幸せになる』は、Amazonのリフレクソロジー部門、婦人病部門、指圧・ツボ・マッサージ部門で3冠達成 。自身の難病克服経験から生まれた体質改善法により14年間で250名以上の足つぼセラピストを育成。1万人以上の女性を不調から健康へと導く。企業向けの健康経営サービスでは、女性・男性それぞれ特有の不調をケアする企業専門の足つぼ出張サービスが人気で、総合建設会社大林組などへの出張サービスを展開。単なる施術にとどまらず、食事や生活習慣、メンタルケアまでをサポートしている。
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