乳がん治療中のQOL維持、意識・行動・費用の実態を調査(20〜69歳)
乳がん治療中の不安は再発や転移だけでなく、副作用や外見変化、経済負担にまで及び、QOLにも影響する。ライフネット生命保険の調査では、治療中のQOL維持において、家族や友人とのコミュニケーションや運動、アピアランスケアなどが寄与することが明らかになった。
乳がん治療におけるQOLの不安
調査は昨年10月に、乳がんに罹患したことがあり5年以内に治療を開始した20〜69歳の女性779人に実施。「乳がん治療中のQOL維持において不安を感じたこと」を聞いたところ、最多は「がんの治療、再発・転移に関する不安」で54.9%と半数に上った。副作用や後遺症、脱毛など、お金や外見変化に対する不安も上位に。
- 1位:がんの治療・再発・転移に関する不安 (54.9%)
- 2位:治療に伴う副作用や後遺症に関する不安(33.0%)
- 3位:治療費や付随する費用に伴う経済的な不安(32.3%)
- 4位:脱毛など外見が変わるかもしれないという不安 (24.4%)
- 5位:日常生活への影響の不安 (23.2%)
QOL維持のためにやって良かったこと
続いて、「QOL維持のために最も行ってよかったもの」という質問では、トップ3は「家族や友人とのコミュニケーション」「適度な運動」「アピアランスケア」だった。
- 1位:家族や友人とのコミュニケーション(12.7%)
- 2位:適度な運動(9.0%)
- 3位:外見の変化に対するケア=アピアランスケア(8.9%)
- 4位:趣味(7.2%)
- 5位:入院時の個室利用(6.9%)
乳がん治療中の心の支え
治療中の心の支えになったものは、「家族や友人との時間」が65.6%と突出。「医療従事者からの言葉やケア(28.9%)」「趣味(28.8%)」が続き、がん治療中のQOL維持・向上には社会的つながりが重要であることがうかがえる結果となった。
- 1位:家族や友人との時間(65.6%)
- 2位:医療従事者からの言葉やケア(28.9%)
- 3位:趣味(28.8%)
- 4位:SNS(18.1%)
- 5位:仕事(16.0%)
やって良かったアピアランスケア
アピアランスケアを行う目的を聞いた質問では、「自己肯定感を保つため(57%)」「自分らしさや自信を保ち、前向きな気持ちで治療に臨むため(55%)」「仕事や社会的活動を継続するため(37%)」が上位に。最も行ってよかったアピアランスケアは「ウィッグの購入・着用(42.9%)」。「乳房の再建手術(18.8%)」「乳房調整パッド、人工乳房の利用(9.1%)」が続き、目に見える外見の変化への対応がQOL維持・向上につながっていることがわかった。
- 1位:ウィッグの購入・着用(42.9%)
- 2位:乳房の再建手術(18.8%)
- 3位:乳房調整パッド、人工乳房の利用(9.1%)
- 4位:肌の保湿や保護を行うためのスキンケア(4.5%)
- 4位:リンパ浮腫予防(4.5%)
QOL維持にかかった費用
乳がん治療開始後のQOL維持にかかった費用に関する質問では、総額は平均43万円だった。また、アピアランスケアに絞った質問での費用の総額は平均34万円。QOL維持にかかる支出において、アピアランスケアの比重の大きさが浮き彫りとなった。アピアランスケアを実施した154人のうち71%は、アピアランスケアは「自身の経済状況に影響した」と回答。アピアランスケアがQOLを維持・向上する一方で、経済的負担を重く感じる人も多いこともわかった。がんの罹患に備えて準備しておくべきだったこととして、最多は「医療保険・がん保険への加入」は55%。保険に限らず事前の金銭的な備えをしておくことで、QOLを維持しながら安心してがん治療に臨めることが示唆された。
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