女性の「あはき柔整市場」は1,734億円へ縮小、物価高が影響も今後は需要増の見込み 注目は「根本からアプローチする施術」
美容領域の調査研究を行うホットペッパーアカデミービューティー(リクルート)は今月、保険適用外のあはき柔整の2025年の市場規模が、推計で前年比8.4%減の3,947億円と発表した。女性市場は前年比21%減で1,734億円、男性市場は4.5%増で2,213億円。
あはき柔整は「あん摩・指圧」「鍼灸」「接骨・整骨」で、市場規模は20代〜50代の施術利用率・1回あたりの利用金額平均・年間利用回数平均から推計した。女性市場の中で最も大きいのは「接骨・整骨」で657億円だった。内訳は以下。
- 接骨・整骨…657億円(前年比18.9減)
- 鍼灸…630億円(同18.4%減)
- あん摩・指圧…447億円(同27%減)
女性市場が全体的に縮小したのは、特に20代女性が高単価の施術を控えたことが響いた。「接骨・整骨」は前年の11,408円から7,386円、「鍼灸」は同11,396円から9,086円と、20代女性の平均利用単価が前年より顕著に下がっていることから、同社は「物価高が影響した可能性がある」と見ている。
だが、利用率に大幅な減少は見られなかったことから縮小は一時的と見られ、女性全体の着実な美容・健康意識の高まりや、「自分の体と丁寧に向き合いたい」というニーズが高まっていることを背景に、今後の拡大を見通している。中でも期待されるのは、体の歪みの矯正や体質改善など、根本から身体にアプローチする施術で、これらはあはき柔整の特性と親和性が高いことから、市場拡大を後押しすると見ている。
若年層の取り込みについては、「あはき柔整は高年齢層向けのサービスといったイメージを持たれることもあるが、20〜30代の”保険適用なし”での利用率は高い。美容・健康面の課題解消(冷えや肩こり、妊娠・出産に伴う体調の変化など)に対するニーズを取り込む余地は大いにあると感じている」とコメント。ネット検索やオンライン予約が当たり前の世代であることもポジティブに作用し、「ターゲティングや、オンライン集客やSNS活用などの訴求手法次第で、さらなる市場の広がりが期待できる」と見ている。
男性市場の拡大については、健康・美容意識の高まりが背景にあり、「接骨院・整骨院はエステサロンなどに比べて入りやすい雰囲気があるため、男性が気軽に足を運びやすい環境であることも一因」としている。
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