アロマ市場規模拡大するも、商機が見込めないアロマ分野は?

アロマ市場は今後さらなる拡大が期待される注目の市場だ。2015年のアロマ市場規模は推計で3,337億円、2011年比で126%の伸長。生活の中で香りを楽しみたいニーズは女性を中心に高まっており、今後さらなる成長が見込まれている。調査を行った日本アロマ環境協会によると、今後のアロマ市場で特にニーズが高まると予想されるのは、「精油を配合したオーガニック化粧品」「国産の和精油」「手間なく簡単に香りを楽しめるモノ・コト」。アロマ市場規模の内訳から、今後拡大が見込まれるアロマ分野と、拡大が見込まれないアロマ分野について考えてみよう。(参照:日本アロマ環境協会「2015年アロマ市場に関する調査レポート」)

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アロマ市場規模の内訳

では、実際にアロマ市場の中でも特にどの分野の成長性が高いのか見てみよう。

拡大が見込まれる市場

前回調査と比較して拡大した分野=今後さらなる拡大が見込まれるのは以下。「手軽に香りやアロマの効能を取り入れたい」というニーズの高まりがうかがえる。

  • アロマ化粧品市場(スキンケア化粧品、ヘアケア化粧品、メイクアップ化粧品、ボディケア化粧品)
  • アロマ入浴剤市場(天然の精油が配合されている入浴剤)
  • アロマ芳香剤市場(天然の精油が配合されている室内芳香剤、衣類・布製品消臭剤)

拡大が見込まれない市場

反対に、今後飛躍的な拡大が見込まれない分野は以下。

  • アロマテラピー教育・資格市場(資格認定団体の事業、スクール、通信教育、書籍・DVD)
  • アロマテラピーサービス市場(トリートメントサービス、アロマ空間サービス、その他サービス)
  • アロマテラピー製品市場(精油、基材、芳香器具、アロマ活用グッズ・クラフト)

今のようにアロマが生活者の間で浸透する以前は、アロマはまだ日常的に楽しめるものではなく「特別な存在」だった。かつてはアロマテラピーの資格取得が、転職や起業したい女性の間で人気となり、同時期にアロマトリートメントサービスの店舗も次々に登場したが、誰でも日常的にアロマを楽しめるようになった今、教育・資格市場やアロマテラピーサービス市場に大きな期待は難しそうだ。

他、縮小が見られたのは「アロマテラピー製品市場」。「手間なく簡単に楽しみたい」ニーズや、単体ではなく複数の精油がブレンドされたブレンド精油へニーズが移行していることで、「自身で芳香器具をセットし、自ら精油をブレンドする」などといった手間は省かれる傾向が出てきている。

「アロマ」活用商品・サービスで女性の心を掴むポイントとトレンド

  • アロマユーザー層の拡大とともに、人気は「植物単体の精油」から「目的別にあらかじめ複数の精油がブレンドされたブレンド精油」へ移行。
  • 日本特有の植物から抽出した「和精油」のニーズが高まっている。
  • 「より簡単にアロマを楽しみたい」というニーズの高まりから、手間や時間がかかる商品・サービスは避けられる傾向に。日常的に手軽に楽しめるモノ・コトに商機あり。
  • 香りを楽しめる場所が拡大中。ホテルや旅館などの特別な場所だけではなく、オフィスビルや医療施設などでもアロマが利用されるようになっている。「香りブランディング」という言葉も生まれているように、「香り」を重視する企業や施設は今後さらに増えていきそうだ。
  • 自然派、オーガニックを求める生活者は世界的に広がっているが、肌や体内へ直接影響するアロマは、食べ物と同じくらい自然派にこだわるユーザーが多い。自然派・オーガニックは今後の必須条件となるだろう。
  • 室内芳香剤が前回調査と比較して2倍以上に拡大。近年主流となっている芳香消臭用品は今後さらにニーズが高まるだろう。
  • 住居用洗剤はまだ商品数が少ないが、これから伸長が期待される。
  • アロマ加湿器は、年間を通じて女性ユーザーが多い。「パーソナル化」「小型化」がキーワード

 

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