女性の需要大きい「統合医療、補完・代替医療」
近代西洋医学と比較して科学的な立証データやエビデンスの少ない代替医療や伝統医学、民間療法による補完・代替医療は、西洋医学で診療を行う医師からは煙たがられることも多い。しかし西洋医学だけに頼らず、様々な方法で病気の治療や不調の改善を図る女性は多い。
多くの女性にとって統合医療は身近な存在
すでにがんなど何かしらの病気に罹患している場合は、補完代替医療のみに頼って治療を行うのは危険だが、不定愁訴を感じやすい女性にとって統合医療、補完・代替医療は、病気や不調がない時も含め日頃から頼れる身近な存在。認識していないくても、実は日常的に利用している女性は多い。統合医療や補完・代替医療(※)は、これからは医学の世界に身を置くものだけではなく、ヘルスケアビジネスに従事する者にも必要とされる概念だ。
(※)統合医療、補完・代替医療
統合医療とは、近代西洋医学と補完・代替医療や伝統医学等とを組み合わせて行う療法のこと。では、補完・代替医療、伝統医学とは何を指すのか?厚生労働省では以下のように例を挙げている。補完・代替医療、伝統医学と聞くと、難しい印象があるが、実際はどれも生活に馴染んでいる身近なものばかりだ(引用:「統合医療」情報発信サイト利用マニュアル 2016 厚生労働省)。
- 食事療法
- サプリメント
- 鍼灸
- 温熱療法
- マッサージ
- 骨つぎ、接骨
- 整体
- カイロプラクティック
- アロマテラピー
- 音楽療法
- 温泉療法
- 森林セラピー
- ヨガ
- 気功
- アニマルセラピー
- 園芸療法
- 漢方
- アーユルベーダ
- ホメオパシー
- 足つぼ
安全な統合医療浸透のための様々な取り組み
2011年度に厚生労働省が「『統合医療』のあり方に関する検討会」を開催。以降、安全な統合医療を広めることを目的に様々な取り組みが進められている。統合医療に関する科学的知見の集積、医療関係者・一般向け両方への情報発信などだ。厚生労働省では「統合医療情報発信サイト」を運営している。
疑念を持たれやすい補完・代替医療、大きな可能性あり
国による統合医療に関する科学的知見の集積が進む中、学会からもエビデンスに関する解説本が2016年に日本緩和医療学会から出版されている。がん患者を対象にしている内容で、健康食品、アロマテラピー、音楽療法、ヨガなどが、がんに伴った身体症状にどのような作用をもたらすか?などが書かれている。医療従事者向けだが、「それって効果があるの?」と疑念を持たれやすい補完・代替医療には大きな可能性があることが理解できる。
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