シニア世代の「関係性消費」で、健康ギフト消費活発化の見込み

博報堂「新しい大人文化研究所」は、今の60代以上は、従来で言う「老人」「高齢者」「シニア」とは異なる価値観や消費スタイルを持っていることに着目し、彼ら・彼女らを「新しい大人」と呼んでいる。特に、団塊世代からその傾向が見られるという。

同研究所では、この世代の消費スタイルを指すキーワードとして「関係性消費」という言葉を使ってレポートをまとめている。関係性消費とは「口コミ・推奨がきっかけの消費行動」のこと。近年「新しい大人」の間では、この関係性消費が強まっているという。若年層と比較して何かと情報が少ない60代以上の消費行動を探るヒントになりそうだ。参照:新しい大人文化研究所「第16回 生活定点から見えてくる、『新しい大人の関係性消費』」

シニア世代で強まる「関係性消費」を形成する要因

レポートのポイントをまとめると、以下の特徴が関係性消費を形成している要因。

  • 所属する場所が画一的ではなくなり、個々それぞれが複数を持つようになったこと。
    昔:リタイア後は、「半ば自動的に」町内会や老人会などの既成のグループに入る
    今:ご近所友達、ジム友、趣味友、同窓生仲間など「自分の意思で付き合う人を決めて」複数の関係性を持つ
  • 友人との連絡手段としてメールやSNSを使う人が増えてきていること

「関係性消費」により拡大している市場

関係性消費の強まりとともに変化しているのがギフト消費だ。同レポートでは、所属するコミュニティー内でのつながりを維持する手段としてギフトを贈り合う消費が増えていることに着目している。お歳暮やお中元などの慣習に則ったギフト消費が年々減少傾向にある一方で、誕生日ギフトなどの個人を祝うギフト消費は年々増加傾向にあることがわかる調査結果も掲載している。

矢野経済研究所によると、2016年のギフト市場規模は10兆円へと成長、年々微増している。SNSの浸透や世帯スタイルの変化(世帯数の増加に対して1世帯当たりの人員の減少)などで、人とのつながりを意識する人が増えていること、ギフトのカジュアル化、自分へのご褒美消費が増えていることなどが要因だろう。ニーズに応えるべく、各企業は様々なギフト商品やサービスづくりに工夫を凝らしている。

健康系ギフトに商機あり

新しいギフトの形として今注目を集めているのが、ソーシャルギフトや健康系ギフトだ。特に健康系のギフト消費は、長寿社会では今後活発になっていくと考えられる。中高年層間での利用、子供や孫から父母・祖父母への利用が活発になりそうだ。11月には凸版印刷からは日本初の健診用プリペイドギフトカードが登場したが、贈られる側のニーズと贈る側のニーズが見事にマッチした画期的なギフト商品だ。

贈られる側のニーズ例

「健診を受けたいけど、専業主婦なので健診のきっかけがない・忘れてしまう」
「健診を受けたいが、費用が高いからなかなか行く気になれない…」

贈る側のニーズ例

「(親など家族に)健診を受けてきてほしい」
「(お金ではない形で)健診のきっかけになるモノ・コトを渡したい」

こちらの商品は、ヘルスケアリテラシーの高い女性の間で人気のギフトスタイルとなりそうだ。「関係性消費」という消費スタイルは、これからは団塊世代以降の購買行動も促す重要なキーワードとしてマーケティングに活かせそうだ

読者の皆さんの健康商品・サービスも、「関係性消費」を意識したギフト商品に変えることで新たな顧客を獲得できるようになるかもしれない。

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