節約志向が強いのは女性より男性 今後「お金をかけたい事」と「節約したい事」

節約思考は女性より男性の方が強いようだ。消費者庁が実施した調査でわかった。調査対象は15〜70歳以上の男女1万人で、消費意識・消費行動に関する質問の中で「今、お金をかけていること」「今後、お金をかけたいこと」「今後、節約したいこと」について項目別に聞いた。特に「健康」「医療」「運動スポーツ」「介護・家事代行」といったヘルスケア項目の調査結果が気になるところだが、注目したいのは、女性の方が全体的に「お金をかけたい」という意識が強く、反対に男性は多くの項目で「節約をしたい」と思っている点。男女それぞれのお金の使い途に関する意識や消費意欲、関心ゴトが見えてくる消費者庁「令和4年度 消費者意識基本調査」2022.11実地,全国の15歳以上の男女10,000人,有効回答数5,634人

調査項目

調査したのは以下の23項目で、複数回答とした。

  • 医療
  • 健康・リラックス
  • 理美容・身だしなみ
  • 介護・家事代行
  • 食べること
  • 貯金
  • 子どもや孫に関する費用(教育・保育など)
  • 旅行
  • 交際(他人との飲食を含む)
  • ファッション
  • 習い事・教室・資格・自己啓発
  • 住まい
  • 参加型のイベント(音楽/グルメフェス,コンサート,ファンイベント)
  • 通信(電話,インターネット等)
  • 有名人やキャラクターなどを応援する活動(グッズ購入など)
  • ペットに関する費用
  • 投資(資産形成)
  • 運動・スポーツ(自分でやること)
  • スポーツ観戦・映画・舞台鑑賞など
  • 車・バイク
  • 家電・AV機器
  • 特にない
  • 無回答

 

今、意識的にお金をかけていること

「今、意識的にお金をかけていること」を聞いたところ、女性のトップ3は「1位:食べること(36.8%)」「2位:理美容・身だしなみ(21.4%)」「2位:貯金(21.4%)」で、男性は「1位:食べること(28.6%)」「2位:無回答(20.3%)」「3位:貯金(19.6%)」だった。23項目のうち男性より女性の割合が高かったのは15項目で、女性の方がさまざまなことにお金をかけている様子がうかがえる結果となった。

女性の健康関連で上位にランクインしたのは、「5位:医療(19.1%)」「7位:健康・リラックス(13.8%)」。一方、最下位は「介護・家事関連(2.7%)」。「運動・スポーツ」にお金をかける意識も低く、7.2%だった。

【画像】消費者庁「令和4年度 消費者意識基本調査」をもとにウーマンズラボ作成

 

 

今後、お金をかけたいこと

続いての質問は、「今後(も)お金をかけたいと思っていること」。男女ともにトップ4は「食べること」「貯金」「旅行」「健康・リラックス」で、いずれも有意な男女差は見られず同程度の割合だった。前問では、「健康・リラックス」にお金をかけているのは男女ともに1割弱という結果だったが、今後お金をかけたいと考えているのは男女ともに3割を超えており、実際に行動するかどうかは別として、ヘルスケア消費の意欲そのものはあるようだ。「医療」についても同様の傾向が見られ、今お金をかけている男女は2割以下だが、今後お金をかけたいと思っている男女は3割に上った。

【画像】消費者庁「令和4年度 消費者意識基本調査」をもとにウーマンズラボ作成

 

 

今後、節約したいこと

続いて、「今後(も)節約していきたいと思っていること」については、次の結果に。23項目のうち女性の方が割合が高かったのは「通信(54.3%)」「家電・AV機器(47.8%)」「運動・スポーツ(41.7%)」「食べること(37.6%)」「無回答(5.5%)」の5項目のみで、他は全て男性が女性を上回った。全体的に男性の方が節約志向が強いようだ。

ヘルスケア関連の項目に絞って見ると、「健康・リラックス」「医療」は男女ともに下位にランクインしており、節約意識は低い。一方で「介護・家事代行」は5割前後で、節約意識の高い項目であることがわかった。

【画像】消費者庁「令和4年度 消費者意識基本調査」をもとにウーマンズラボ作成

 

 

女性の健康食品の選択基準は?

小林製薬の紅麹サプリを巡る問題で、健康食品への不信感や動揺が消費者の間で広がっています。特に男性よりも健康意識・健康行動者率が高い女性による “健康食品の摂取控え” が懸念されることから、健康食品を普段摂取している20〜70代女性を対象に、健康食品に対するイメージの変化や、今後の摂取意向、今後の健康食品の選択基準を調査しました。女性たちのリアルな声からは、今後の健康食品の開発・販促・コミュニケーション設計のヒントを見つけることができます。詳細は「紅麹サプリ問題で、健康食品の選択基準に変化 女性消費者分析でわかった88キーワード」へ。

紅麴サプリ問題 女性消費者動向分析

 

 

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