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女性を解放するマーケティングの新概念、止まない「自己肯定感ブーム」から見えてくるもの (1/3)

「自己肯定感」ブームが一向に止む気配がない。「自己肯定感」をタイトルに含んだ書籍が次々に発売され、女性誌、テレビ番組、ラジオ番組などマスメディアがこぞって取り上げている。自己肯定感を高めるセミナーも活況だ。

「私、自己肯定感めっちゃ低いの!」と口を大にしては言わないものの、実は、ありのままの自分を受け入れらずに悩んでいたり、他人と比較して疲れてしまったり、自己肯定感を高めたいと考えている人は多いようだ。

日本女性の自己肯定感が世界的に見ても低いことは調査でも明らかにされているが、なぜなのか?そして、なぜ今、自己肯定感にこんなにも関心が寄せられているのか?これからの女性マーケティングの必須概念として押さえておこう。

世界的に低い日本女性の「自己肯定感」、なぜ?

「自己肯定感」への関心、急速に高まる

自己肯定感とは自分の存在意義や価値を肯定できる気持ちのこと。ありのままの自分を認めていたり自分に自信を持っていると自己肯定感は高く、反対に、自分の価値を自分自身で認められないと自信がなくなり自己肯定感は低くなる。自己肯定感が低い人はイライラしたりストレスや不安などネガティブな感情を抱えやすいため、人間関係に悩んだり生きづらさを感じる。

この「自分自身を肯定する」ことに対し、今、関心が急速に高まっている。2016年頃から徐々に関心が高まり、特に2018年以降で顕著に。

今現在も関心は高まり続け、自己肯定感を高めるためのハウツー本が次々に発売されている。本屋に行けば、「自己肯定感」「自己受容」「ポジティブマインド」などといった言葉をタイトルに含む書籍を頻繁に見かける。自己肯定感を高める方法、自己肯定感を上げる働き方、恋愛中の自己肯定感を高めるハウツー、子どもの自己肯定感を高めるための子育てハウツー、育児中のママ自身の自己肯定感を高めるメソッドなどなど。実に様々な視点から自己肯定感を高める方法が語られている。

Googleトレンド「自己肯定感」

国際比較・男女別に見る日本女性の低い自己肯定感

なぜこんなにも自己肯定感に関する話題が人気なのか?背景にあるのは、日本人の低い自己肯定感。10〜20代の若者に限定した調査だが、国際比較があるので紹介したい。

内閣府の「子供・若者白書(令和元年版)」によると、自分自身に満足している人の割合は、7カ国中、日本が最も低かった。6位の韓国から大きく引き離され半数以下だ。(質問は「自分自身への満足」を問う内容だが、自己肯定感にも影響する要素なので取り上げる)

  1. :アメリカ(87.0%)
  2. :フランス(85.8%)
  3. :ドイツ(81.8%)
  4. :イギリス(80.1%)
  5. :スウェーデン(74.1%)
  6. :韓国(73.5%)
  7. :日本(45.1%)

    ※(  )内は「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計

日本の若者の自己肯定感が世界的に見て低い事は、これまでにもすでに方々で問題視されてきているが、性差で違いが見られる点についても着目したい。これは各国に共通して見られる特徴で、男性よりも女性の自己肯定感が低いことが明らかになっている。

女性の自己肯定感が低い理由 〜はびこる社会の3大差別主義〜

上記で紹介した調査結果は若者に限定したものなので、これを日本人全体の傾向として論じるのは少々雑だが、自己肯定感が低い要因として幼少期の体験・教育が関係していることや、日本人特有の思考習慣を考えると、上記の調査対象には入っていない30代以降で自分に満足している人の割合が急激に上がるとは考えづらい。

また、冒頭で紹介した通りこれほどまでに自己肯定感への関心が高まっていることも、自己肯定感に関して何かしら悩み続けている人が多いことを裏付けている。

では、なぜ日本人女性の自己肯定感はこうも低いのか?それについては多数のメディアや専門家が取り上げているのでここでは詳細は割愛するが、日本人全体の傾向としてよく指摘されているのは、空気を読まなくてはならない文化、同調圧力、自分がどうありたいかよりも他人からの評価で自分の行動や価値を決める、などといった日本人特有の文化・思考習慣だ。

さらに女性のみに関して言えば、自己肯定感が低い要因として、ルッキズム(外見至上主義)、エイジズム(年齢による偏見・差別)、セクシズム(男はこうあるべき、女はこうあるべきなどの性差別)がはびこる社会の中で自分の外見、加齢、存在価値を受け入れられないことが挙げられる。

女性であるがゆえに社会から求められていること、というものは実に多く、それらが女性たちを苦しめ自己肯定感を押し下げている。例えば「顔のつくりやボディラインが美しい女性ほど価値がある「若い女性ほど価値がある」「シミ・シワがない肌ほど美しい」「女性は人前でメイクをするのがマナー」「女性は肌がツルツル=女性はムダ毛を剃るべき」「女性は子どもを産むべき」「女性は料理が上手で当たり前」「家族の介護をするのは女性」などといったことだ。

女性生活者の調査レポート