シニアマーケティングの基本は「人生100年時代のシニア像」

人生100年時代を迎え、さらに“若者文化”を開拓してきた団塊世代が “シニア世代” となった今、シニア像はどのように変化したのか。2019年6月に100回目を迎えた「シニアのリアルな姿を知ることを目的とした自然な会話を聞く企画」を実施しているリサーチ・アンド・ディベロプメント(東京・新宿)は、新シニア像として以下3つのキーワードを挙げている。

  • 自分たちはシニアじゃない
    参加メンバーの会話では、より高齢の80代の方や親世代のことを「シニアの人は…」と表現することが頻繁にあります。本音では、本人はシニアとしての自覚がないことの表れであるようです。また、女子力も高く、スイーツや化粧品など世の中の流行をキャッチしており、意識や行動では50代とそれほど変わりはないと思われます。
  • 「健康」とは“老い”と向き合い現状を維持すること
    シニアの健康意識は高いものの、若い世代の考える健康とは少しニュアンスに違いがあります。「昨日出来たことが今日は何だか調子が悪い」、「年々鈍くなってきた」、「医者に相談してもどこも悪くない」など、シニアにとっては、 “老い”と向きあい、「現状を維持」することが「健康」であるという印象があります。そのため、今の状態を保ちつつ、今よりどう生き生きと明るく生活できるかが重要になっています。
  • 夫とは近づき過ぎず、遠ざけ過ぎず
    「孫が一番」というシニアがいる一方で、「孫は3日で疲れる」、「孫との付き合いは交際費」などとドライなシニアもいます。都会のシニアの特徴でもあるかもしれませんが、「お隣との付き合いはありません」、「夫と一緒にいるのは朝と夕食だけ」といったようにマンションの隣近所や夫婦の関係においても程よい距離感を保っているようです。薄情ということでも、広く浅くということでもなく、一人に深入りすることのない、ストレスのない人間関係を維持しているようです。(引用:リサーチ・アンド・ディベロプメント)

 

同企画を数年にわたり継続している同社はシニア像の変化を次のように捉える。

 

2012年は、2007年に続く団塊の世代の大量退職を迎える年で、第2次シニアブームが到来し、市場では高齢者需要(老人=弱者)に代わり「アクティブシニア」という存在が注目され始めた時期でした。シニアに対する定義は、この頃から変化しています。(引用:リサーチ・アンド・ディベロプメント)

 

上記の変化を背景に、シニア向け商品について同社は次のように指摘する。

 

これからは「長生きを覚悟する」時代です。「いつからシニア」という定義自体も、今後の社会ではナンセンスなのかもしれません。定年に象徴される「年齢差別」をなくすことが必要です。(略)シニアは老化を最も恐れていますが、シニア向け商品の多くは老化に対する「恐怖心」を煽ったり、「無理な若さ」を押しつけたりすることによって、当事者のシニアに拒否反応を起こさせ、あえて避けられているところがあるのではないでしょうか。(引用:リサーチ・アンド・ディベロプメント)

 

例えば、シニア向け化粧品は「シワやたるみを必要以上に強調し、あたかも悪の元凶であるかのような表現」をする広告手法が目立つが、さまざまな調査結果やネット上の口コミなどを分析していると、一部シニア女性らはそれらに嫌悪感を示し「失礼」「不快になる」「年齢を重ねることは、そんなに悪いことなのか?」と憤っていることが確認できる。“老いにあらがうよりも老いをポジティブに受け入れる” シニア女性が増えている今、「自社で設定しているシニア像は一昔前のシニア像になっていないか?」、改めて見直す必要があるだろう。他、シニアマーケティングに関する最新動向や、戦略設計の定石、シニア女性のニーズ変化などはニュースレターで配信中

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