進化するシニア女性のデジタルリテラシー、実態調査で明らかに ハルメク

シニア女性のインサイトの調査・分析を行う「ハルメク生き方上手研究所」は、55~74歳の女性を対象に「デジタルとネットの活用についてのアンケート」の調査結果を公開した。同社が発行するライフスタイル誌『ハルメク』の読者454人を対象に郵送での質問紙配布アンケートを実施したもので、コロナが5類となった2023年のシニアとデジタルとの付き合い方を明らかにした。

スマホ利用率は過去最大、96.9%に

現在利用しているデジタルデバイスを聞いたところ、「スマホ」は前年比2.6%増で、2011年からの調査で過去最大に。これまでは大きな変動がなかったPCの利用率は前年比7.6ポイント増で49.1%だった。一方で、昨年まで上昇傾向にあった「スマートウォッチ」「スマートスピーカー」の利用率は、今年は低減。「スマートウォッチ」は4.0%(前年比1.0ポイント減)、「スマートスピーカー」は1.5%(前年比-0.9ポイント)だった。

【出典】ハルメク生き方上手研究所

 

EC利用率も過去最大に、52%へ 70〜74歳で顕著な伸び

2023年のEC利用率も過去最大となり、全体で52.0%で初めて5割を超えた。年齢別に見ると55~59歳の利用率が最大で72.4%。70~74歳は昨年比9.4ポイント増と伸長が大きく、37.1%に上った。

【出典】ハルメク生き方上手研究所

 

SNS利用率、インスタが最大

SNSの利用率も伸びており、Instagram、facebook、X(旧Twitter)、Pinterest、noteのいずれかのSNSを利用している人は初めて3割を超え31.9%だった。最も利用率が高いのはInstagramで22.2%。前年比で4.7ポイント増だった。

【出典】ハルメク生き方上手研究所

 

アプリやスマホの機能の利用状況

スマホまたはPC利用者に絞って、アプリやスマホの機能の利用率の推移を項目別にまとめたのが以下グラフ。2019年から2023年にかけて利用率が右肩上がりで上昇した「上昇成長型」に分類されたのは11項目で、特に伸長率が大きいのは、「オンライン決済・QR決済(41.5%)」「LINE電話(87.6%)」「動画の撮影(71.6%)」「ポイ活(42.7%)」で、いずれも2019年比で20ポイント以上の増となった。最も伸長したのは「オンライン決済・QR決済」で、2019年の6.2%から35.3ポイントの増となった。コロナ禍による買い物不便から、オンライン決済による消費行動が広まったと考えられる。

2019年時よりすでに利用率が高く横ばいで推移しているのが「上昇成熟型」に分類された4項目で、「調べ物・Web検索(88%)」「LINEトーク(90.7%)」「電話の発信・受信(96.6%)」「写真・静止画の撮影(90.7%)」でいずれも9割前後。このまま定着しそうだ。

コロナ禍で一時的に利用が増えたが低下した「山型」に分類されたのは2項目で、「YouTube or 有料の動画サービス(39.7%)」「健康管理(29.8%)」は前年より減少した。

利用率が低下し「下降型」に分類されたのは「Eメール」の1項目で、利用率は過去最低の80.8%だった。連絡手段がLINEやショートメッセージに移行したことが背景にありそうだ。

コロナ禍で利用が減ったが回復した「谷型」となったのは、「ラジオ」「地図アプリ」だった。

【出典】ハルメク生き方上手研究所

 

 

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