【取材】設立15年で女性会員数347万人突破!ミュゼの女性マーケティング戦略とは?

若い女性を中心に圧倒的な知名度を誇る脱毛サロンのミュゼプラチナム。2003年の初出店以来、大手エステサロンを凌ぐ勢いで店舗数・会員数を伸ばし続け、現在は全国に177店舗を展開、会員数は347万人にまで拡大(2018年12月末現在)。美容感度が高い女性たちから絶大なる支持を獲得し続けるミュゼプラチナムの強さはどこにあるのか?株式会社ミュゼプラチナム取締役の木原正憲さんへの取材を通じて人気の秘密を紐解いてみると、”女ゴコロ”を理解した「女性マーケティング戦略の徹底」が見えてきた。(取材・文・編集ウーマンズ/AD)

347万人の女性に支持されてきたミュゼプラチナムとは?

ミュゼプラチナムは業界シェアNo.1の美容脱毛サロン。「両ワキ・Vライン美容脱毛(完了コース)100円」など圧倒的な価格戦略で業界の注目を集め、初出店から15年経った今や、・売上・店舗数No.1(※)と女性たちに最も知られる美容脱毛サロンとして確固たる地位を築いている。トリンドル玲奈さんや谷まりあさんを起用した広告やCMを展開しているので男性読者も知っている方は多いのでは。同社は現在、美容脱毛サロンの他にミュゼホワイトニングというブランドで全国の歯科医院向けのFC展開や、オリジナルコスメの開発・販売、ショッピングサイトの運営、企業向けのマーケティングサービスなど事業を拡大している。※)2018年7月時点(東京商工リサーチ調べ)

ミュゼプラチナムの女性マーケティング

株式会社ミュゼプラチナム 取締役 木原正憲さん

347万人の獲得までに実施した主な戦略・施策9項目

現在、全国に177店舗を展開し347万人の会員数を抱えるミュゼプラチナムは、どのような戦略・施策を重ねてきたのか?その中でも特に集客成功に寄与した9項目を挙げてもらった。会員数の推移と合わせて見てみよう。

ミュゼの女性マーケティング戦略-1

1. エステ業界の悪しき習慣を払拭、初出店(2003年)

2003年に1店舗目を出店(福島・郡山)。当時国内ではエステサロンで脱毛を行うのが主流で、脱毛専門店は珍しかった。サービス構築にあたり注力したのは、当時のエステ業界にはびこっていた「業界の悪しき習慣」の払拭。エステ業界は「会計が不明確で高額」「強引に契約を結ばされる」「解約しても返金してもらえない」などと言ったネガティブなイメージを持たれていた。同社はそこに着目し、それまでのエステ業界の常識を覆し明瞭なサービスとして認知してもらうことを目指す。

2.地方でドミナント戦略出店(2003年〜)

知名度を上げるべく、地方でのドミナント戦略を進める。同時に良い口コミや紹介を増やすために質の高いサービスを徹底。同社の言う「質の高いサービス」の一つが、サロンスタッフは会員に強引な営業・勧誘をしないこと。もちろんサービスの説明はするが、会員が「いらない」と言えばすぐに説明を打ち切るというルールだ。強引な営業をされないので女性たちは安心してサロンに通える。また、「サロンスタッフに営業ノルマを課さない」「給料は固定給」といったルールも取り決めたことで、店内でスタッフ同士の会員の取り合いが起きず接客にも良い影響が出る。その他、「低価格」や「分かりやすい料金体系」など、ドミナント戦略と女性視点のサービスを追求した結果、各出店エリアで口コミの増加とともに知名度が高まり、女性たちの信頼を勝ち得る。

3.客単価ではなく会員数獲得を優先(2003年〜)

客単価を上げることよりも会員数の獲得を優先したことが、知名度と集客に大きく貢献する。当時は他に類を見ない価格でサービスを提供したり、友達や家族を紹介すると、自分も紹介した相手も同等のサービスが受けられるなど、女性たちが「魅力的!」と思うプランや特典を提供することで満足度を上げる。高い満足度は口コミを発生させ、さらに、会員が新たに知人を連れてくるという好循環のサイクルが生まれ、会員数は劇的に増えていく。

4.解約時返金制度導入(2006年〜)

当時のエステサロンでは、解約した場合に返金に応じないところや高額な手数料を取るところが多かった。同社は途中解約時に小額の手数料を差し引いて返金していたが、2006年以降、「返金することで顧客の信頼を得て、またいつか戻ってきて欲しい」という考えのもと、理由に関係なく、中途解約を申し出た会員に手数料ゼロで残りの回数に応じて返金する仕組みを導入。

5.「完了コース」の開始で反響拡大 (2006年〜)

契約した部位の脱毛を満足するまで通い続けられるプラン「完了コース」を開始。例えば「ワキ脱毛」で契約し数回の脱毛でムダ毛が目立たなくなっても、ホルモンバランスの変化によって数年後にムダ毛が再度生えてくることがあるが、会員は契約した1年後でも10年後でもいつでも再度脱毛してもらえる。一見すると店舗側に利益がないように見えるが、再来店をきっかけに追加契約につながることもあるので、結果的に利益につながる。

6.コールセンターの開設(2008年)

これまでは各店舗のスタッフが接客の合間に予約・問い合わせの電話に対応していたが、1日に100件以上を受電する店舗もあり、「何度電話をしても繋がらないから予約が取れない・問い合わせができない」という不満が増加。予約・問い合わせ専用のコールセンターを開設した。それにより各店舗では接客に使える時間が増え、顧客満足の向上につながる。

7.ホットペッパーへの出稿(2011年)

無料クーポンマガジンの「ホットペッパー」に掲載開始。当時、同紙に掲載する脱毛サロンが少なかったため先行者利益のメリットが大きかった。回数や価格がわかりやすいキャンペーンを打ち出し女性たちの興味を引き、集客につながる。

8.テレビCM、OOHへの投下拡大(2011年〜)

地方での展開から都内での展開を進めていくにあたり、テレビCM・OOHを積極的に行っていくこととなり、インパクトやメッセージ性を強化するため、広告での芸能人起用(初代広告モデルはトリンドル玲奈さん)や、交通広告・屋外広告を開始する。ミュゼプラチナムが広く知られるきっかけとなる。

9.キャンセル料の廃止(2011年〜)

これまで当日キャンセルは「1,000円支払い」としていたが、これを廃止し、代わりに「1回分の脱毛を消化する」とした(ただし途中解約をしない限り。また時期によって異なる)。キャンセル料はキャンセルの抑止力として効果があるためこの廃止によりキャンセル数の増加が懸念されたが、特に増えることはなく、反対に解約が減少し顧客の流出防止につながる。

ミュゼの女性マーケティング戦略

女性の心を掴み続ける理由は ”女ゴコロ”の理解

衰えを見せることなく女性会員数を増やし続けているのは、「業界の不信払拭と徹底した顧客目線で女性の信用を得る」という創業当時からのぶれない強い軸があったからだ。だがこれは同社の特権というわけはなく、業界の常識を覆して注目を集めたり、徹底した顧客目線で顧客の心を掴み続けようと試みる企業は他にもたくさんある。だがその全てが集客に成功しているわけではない。では、なぜ同社の場合はその戦略を短期間で成功に結び付けられたのか?前述に挙げた戦略・施策を俯瞰してみると、その理由は「徹底した“女ゴコロ“の理解」にあるようだ。女性の特性や心理を理解した上で取り組んだことが成功要因と言えるだろう。同社が女性のどのような特性を理解し施策に活かしているのか、見てみよう。

1.女性に「信用してもらう」にこだわる

ミュゼプラチナムがこだわり続けてきたのが、「女性に信用してもらう」こと。女性はちょっとした感情の揺れや直感で「買う・買わない」を判断したり、安心・安全を軸に消費を決定する傾向がある。不安を感じさせたり不信感を抱かせるような商品・サービス、売り方では振り向いてもらえない。

同社は業界全体に女性の不信が募っていたことや自社の知名度が低かったことから、信用を得ることにこだわった。「明朗会計」「強引な営業をしない」「解約時返金制度導入」「キャンセル料の廃止」などがその代表施策だ。

2.女性の「公平感」を尊重

順位付けや格付けされることを嫌い、平等を好むのは女性。歴史的に見ても縦社会や順位付けに抵抗を感じず順応しやすいのは男性で、女性は、周囲の人や仲の良い人たちと自分は平等でありたいと思っているし、自分自身も人を公平に扱いたいと考えている。

同社の場合、この女性の「公平感」の尊重は友達の紹介制度に見られる。友達や家族を紹介した人に特典を提供しているが、これだけでは、紹介された側が「特典目当てで私を紹介したのかしら…」と不満・不信を感じてしまう可能性がある。そこで実施しているのが、紹介された側も紹介した側も同等のサービスを受けられるようにする仕組みだ。同社はこのような仕組みを取り入れることで、「誰かだけが得をしている」という思いを会員にさせないようにしている

3.女性の「共有したい」を活用

出来事や見聞きしたことを「誰かと共有したい!」と思うのは男性よりも女性。女性の方に圧倒的に口コミ力があるのはそれが理由だが、同社はこの女性の「共有したい!」心理をうまく活用することで認知度を高めてきた。

低価格だが質の良いサービス、明朗会計、強引な営業をしない、といった顧客目線の姿勢が女性たちに高く評価され、「これなら安心して友達・家族に紹介できる」と、多くの口コミにつながってきた。

女性の口コミ力とその影響力を創業当初より実感してきたことで、同社では「低価格×長期接触戦略」の考えが生まれたという。客単価が低くても追加契約によって長期的な付き合いになるので、結果的にその間はずっとミュゼプラチナムの良さを口コミしてくれる。

4.女性の「お得が欲しい」に徹底的に応える

商品やサービスを選ぶときに「お得」を意識するのも、男性よりも女性だ。消費者庁が行った調査では、「商品やサービスを選ぶときに意識すること」を「特典(ポイントカード、景品など)」と回答したのは、男性29.7%、女性43.5%で女性の方が多い。約半数の女性が「お得」を重視していることがわかる。

ミュゼプラチナムでは徹底した「お得」を会員に提供している。「全身脱毛50円(※)」など他を追随させないキャンペーンを次々に打ち出し続けている。誰かを紹介すると自分も相手も同等のサービスを受けられることも、女性たちに支持されている「特典」だ。また、同社が配信するメルマガやアプリでも会員限定の特典を豊富に提供している。

<特典一例>

  • 毎日ポイント獲得にチャレンジできる企画を全員アプリ限定で実施
  • 脱毛やミュゼサイト内での買い物で貯めて使えるポイントプログラム
  • 乳がん検診体験無料イベントやセミナーなどの勉強会の実施と、参加者にお土産のプレゼント
  • 会員限定価格で購入できるECサイト

(※)キャンペーン期間中にWEBでカウンセリング予約を完了した、ミュゼはじめての人が限定で、一人1回限り。手入れには一定期間(1~3カ月)をあける必要がある。「両ワキ美容脱毛完了コース」「Vライン美容脱毛完了コース」は16歳以上が対象です。16歳未満は「両ワキ美容脱毛コース6回」「Vライン美容脱毛コース6回」。本コース は「両ワキ美容脱毛完了コース」「Vライン美容脱毛完了コース」に「全身美容脱毛コースバリュー」をセットにした特別コース。両ワキ・Vライン以外の部位については「全身美容脱毛コースバリュー」全12プランに準じて選択可能。

5.女性の「楽しく働きたい」に応える

社会的成功をおさめたい、社内で昇格したい、といった出世欲が強いのは一般的に男性。一方、女性が仕事に求めるのは「楽しく働きたい」「環境の良い職場で働きたい」「自分のライフスタイルに合った働き方を選びたい」「健康的な働き方をしたい」「ワークライフバランス」など、感情・環境・健康・プライベートとの両立だ。

ミュゼプラチナムではそのようなニーズに応えるために、女性が働きやすい環境を整えている。例えば一般的なエステサロンでは広く採用されている歩合制やノルマを課さないこともその一つ。これによりプレッシャーや焦りによるネガティブな感情が生まれないため、皆がのびのびと働ける。同僚と争う必要がないので協力体制も生まれる。またサロンスタッフは全員が正社員雇用というのも特筆すべき点だ。8つの働き方(※)を用意しており、自分のライフスタイルに合った働き方を選択できるのも嬉しい。

さらに同社は、ミュゼプラチナムで働く付加価値としてスタッフは無料で全身脱毛をできる制度を導入している。職場環境や就業体制を整えることは、ひいては店舗内の明るい雰囲気を醸成し接客の質を向上させることにつながる。会員と接する女性スタッフが会社から大事にされていることが良いサイクルを生んでいる。

(※)スタッフは8つから働き方を選べる。①週5日勤務(週2日休み)1日9時間勤務/②週5日勤務(週2日休み)1日8時間勤務(残業無し)/③週4日勤務(週3日休み)1日10時間勤務/④週4日勤務(週3日休み)1日9時間勤務/⑤週4日勤務(週3日休み)1日8時間勤務/⑥週5日時短勤務 1日4時間勤務 ※育産休からの復帰時/⑦週5日時短勤務 1日6時間勤務 ※育産休からの復帰時/⑧週5日夜限定5時間勤務

【無料レポート】ミュゼ流 女性マーケティング戦略:F1層へのアプローチで気を付けたい7つのコト

女性集客に強いミュゼプラチナム。その中でも特に圧倒的な割合を占めているのがF1層だ。会員数347万人のうち205万人がF1層というから、全国のF1層の約4人に1人はミュゼ会員という計算になる(※)。好奇心旺盛だけれども飽きっぽく、気持ちが移ろいやすい年代。世の中の動きに敏感で情報収集にも積極的。新しいトレンドを次々に生み出しながら変化を続ける、そんな彼女たちの心を常に捉え続けるのは決して容易ではない。F1層とのタッチポイントにおいて、同社は具体的にどのようなことに気をつけているのだろうか?言葉遣い、接客スタイル、世界観づくりなど、同社が実践している施策7項目を、事例を交えてレポートにて解説。特にF1層をターゲットにしている各社のマーケティングにご活用いただきたい。お申込みはコチラから※)全国のF1総人口:9,908,000人(平成29年総務省統計局調べ)

ミュゼの女性マーケティング戦略

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