【女性の本音】ソフィの新商品 “月経カップ” にダメ出しクチコミ殺到、一体何がダメ?
ユニ・チャームが先月新発売したソフィブランド初の月経カップが、ネット上の掲示板で話題に。「絶対使わない」「不衛生」「抵抗がある」など、厳しいコメントが寄せらている。ある投稿者の「煮沸するくらいならナプキンを使って捨てる方がいい」というコメントには、5,000件を超える賛成票が。フェムテックブームの主役的存在でもある月経カップ、一体何がダメ?
目次
女性たちの関心ゴト・価値観がわかる掲示板
コメントが集まったのは、女性向けのネット掲示板「ガールズちゃんねる」。美容、コスメ、健康、ダイエット、仕事、トレンド、ニュース、芸能人などのトピックについて匿名で質問や意見を投稿できる掲示板で、一番の特徴は、投稿された各コメントに他のユーザーが自分の賛否を投票できる点。投稿欄に「+」「ー」のボタンが設置されており、他者のコメントを閲覧したユーザーがどちらか一方をクリックできるようになっている。コメントに賛成であれば「+」を、反対であれば「ー」をクリックする(会員登録の必要はなく、サイト来訪者は誰でもクリックできる)。各コメントにどれくらいの人が共感しているのか、あるいは反対しているのかを、投票数で瞬時にわかる点がおもしろく人気。投稿されているコメントの内容や投票数を見ると女性たちの今の関心ごとや価値観を読み取れるので、マーケティングにも役立つサイトだ。
ソフィの新商品「月経カップ」に、ネガティブコメント
そんなガールズちゃんねるで今週話題になったのが、ソフィ(ユニ・チャーム)の月経カップ「ソフトカップ」。先月末にソフィブランド初の月経カップとして発売したのだが、どうも女性たちの反応が悪い。(スレッドタイトル:生理用品ブランド「ソフィ」から初の月経カップが登場)
月経カップとは?
女性たちのコメントを読む前に、月経カップについて改めてその構造を復習しておこう。月経カップとは、生理の時に膣内に挿入するカップのこと。一定時間が経過したら膣から取り出し、カップに溜まった経血は便器か手洗い場に流す。カップは繰り返し使えるので、水洗いしたら再び膣内に挿入する。一度挿入したら数時間〜半日は外す必要がないので(※)、ナプキンのように頻繁に交換する必要がない。以下が、使い方手順。(※)メーカーによるが12時間ほどの継続使用が可能。だが実際には、経血量にもよるため数時間で交換する女性もいる
- 3〜5分ほどカップを煮沸消毒
- 衛生のため、挿入前に手洗い
- 挿入しやすい体勢になる(例:便器に座るなど)
- カップを折り曲げ、膣内に挿入
- カップに経血がたまる
- 一定時間経過後、膣からカップを取り出す
- 経血を便器または手洗い場で流す
- カップを水洗い
※公共トイレなど水洗いができない場所では、代わりにウェットティッシュで拭き取る - 再度挿入
以下動画を見ると、月経カップの特徴・挿入手順・煮沸の様子などがわかる。(動画:月経カップ開発・製造会社オーガニックカップ,デンマーク)
月経カップの何がダメ? 女性たちの鋭い指摘
話を戻そう。ガールズちゃんねるに寄せられたコメントを見ていくと、ネガティブな意見ばかりが並び、「使ってみたい」「良い商品」などと言ったポジティブな意見は見つからない。まず多いのが、「不衛生」「カップを外す時に手も服も血だらけになりそう」「キッチンで煮沸?家族はそれを見てどう思うんだろう…」「公共トイレでカップを出し入れしてたら、時間がかかり、順番待ちしている人に迷惑では?」など、月経カップの使い方そのものを疑問視する声。次に目立つのが、月経カップの利用意向の低さ。日本はナプキンが主流でタンポン派が少ないため、タンポンと似た形態の月経カップは受容性がもともと低いのだろう。
国内の市場規模を考えるにあたり参考になるのは、ナプキンとタンポンの市場規模。週刊粧業によると2019年のナプキン市場規模は601億円、タンポンは58億円とのことなので、「第3の生理用品」に位置付けられている月経カップは、今後順調に市場が成長した場合、数億円〜(単純に高く見積もっても)50億円以下とも予測できる。(引用:「月経カップ市場動向 海外事例・国内事例・ユーザーの本音」ウーマンズラボ)
実際に「タンポンですら無理なのに、カップなんて無理」という投稿に賛成票が多く集まっている。その他、トキシックショック症候群の視点から健康不安を指摘する声や、「繰り返し使えると言っても、取り外すときに水を使ったり煮沸時にガスを使うなら、エコとは言い切れないのでは?」など、鋭い意見も。消費者視点での鋭い指摘がズバズバと並んでいる。
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では実際の投稿内容を見てみよう(投稿内容を元に編集部にて編集。読者様の理解促進を目的とした言葉遣い等の修正にとどめ、編集により投稿内容の文意からずれることのないよう細心の注意を払っております)。
挿入中の不安
- 立ったり座ったりしているうちに万が一外れたら怖い
- カップを使っても漏れるのが心配で、結局ナプキンと併用になりそう
交換時の不安・抵抗
- 手を洗う場所でカップを洗うの? 人に見られるじゃん。絶対無理
- カップを取る時、手が血だらけになりそう
- 手が汚れそうで抵抗ある
- 手や太ももだけじゃなく、パンツや服にも血が散りそう
- 外すときにカップを便器に落としてしまいそうで怖い
煮沸が面倒・抵抗
- 都度煮沸するのが面倒
- どこで煮沸するの?普段使っている料理用の鍋は使いたくない
- 大変そう。専用の鍋やら器を用意しないといけないし
- 月経カップの煮沸をキッチンでグツグツやられたら、家族は嫌じゃないかな…
衛生面の不安
- 血液って凄い不衛生なのに、なんでわざわざ手や洗面台に経血がうつる仕様にするの?感染症だって心配だし
外出先での不安・不快
- 公共トイレの洗面台で(他人が)これを洗うのだけはやめてほしい
- 公衆トイレでカップを出し入れした人には、その後にその手であちこちを触ってほしくない。使い捨ての方が結局衛生的だよね
- 公共トイレでは順番を待っている人もいる。カップの交換や洗浄に時間がかかり長く待たせたら、トラブルにもなりかねない
- 外出先ではどうやって使うの?と思ってたけど、ウェットティッシュで拭くのか…臭わないのかな
実際に使ったけど、もう買わない
- ネットで500円くらいで購入して実際にカップを使った。私は普段からタンポンでかつ経産婦だけど、それでも初めてカップの出し入れした時はドキドキした。経血も漏れないし違和感はないけど、手が血だらけになった。リピートは無いと思った
ナプキンや生理ショーツなど、他の生理用品派
- タンポンすら無理。膣に異物が入ったままなんて怖すぎる
- やっぱりナプキンかタンポンが衛生的にも1番安心できる
- 月経カップを使っている人はネットでしか見たことない。みんな当たり前のように紙ナプキンかタンポンだよね
- ナプキンの方が衛生的かつ楽だと思うのだが、月経カップを使うメリットってあるの?
- 煮沸するくらいならナプキンの方がいい
- 最近話題の、一日中履ける生理パンツなら買ってみたい。
- シンクロフィットなら、まあまあいい感じ
※シンクロフィットは、ナプキンとセットで使うユニ・チャームの生理用品。
健康不安
- 月経カップを見て、トキシックショック症候群で両足と手の指関節を18カ所切断した人がいたっていうニュースを思い出した
月経カップのメリットがわからない
- 多い日やヨコ漏れ防止に特化したナプキン、肌に優しい素材でできた使い捨てナプキン、布でできた環境に優しいナプキンもあるのに、ソフィが月経カップを売り出す意味は何なんだろう
- ナプキンに比べて不衛生。洗浄・煮沸の手間がかかるし、交換時にトイレ内でウェットティッシュを使うのも時間のロス。月経カップを使って何か良い事があるとはとても思えない
- こんな面倒くさいことわざわざやる人いないと思う
- 絶対使わない
日本での普及は難しい?
生理ブーム・フェムテックブームをベンチャーが牽引する中、大手発の月経カップということもあってソフィの月経カップ登場は注目を集めたが、業界よりも“冷静”にこの生理ブームを見ている女性たちから聞こえてくるのは、実に現実的な指摘。挿入型の生理用品そのものの受容性が低いことが根本的な理由として大きいが、それよりも、衛生面や手間がネックになっている。繰り返し使えることが月経カップの最大のウリでもあるのに、消費者側から見ると、その”繰り返し使う”ための管理方法が受け入れられない様子だ。漏れ対策で月経カップとナプキンのダブル使いをしたら、コスパは返って悪いのでは…。勤務中に急いで月経カップを取り外したら、経血が飛び散って洋服が真っ赤になるのでは…。月経カップを使う暮らしを想像してみてもポジティブなイメージが湧かないのが、今の女性たちの大多数の意見だろう。果たして日本で普及はするのか?
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