オンライン診療とは メリット・デメリット・今後の課題(2/3)
オンライン診療のメリットとデメリット
患者メリット
- 医療機関へ行く時間の制約が解消される
- 通院に付き添いが必要な人にとっては付き添いの時間的・経済的な負担も軽減される
- 場所を選ばない(仕事の休憩時間の活用もできる)
- 受診への恥ずかしさがない(脱毛症など受診自体に抵抗がある場合も受診しやすい)
患者デメリット
- 原則、初診は対面診療が必要
- 診断の情報が限定される(聴診や採血での検査はできない)
- 注射、点滴などの処置は受けられない
- デジタルリテラシーが必要(スマホの操作ができない場合はハードルとなる)
- クレジットカードの支払いが必要(オンライン診療にかかる料金はクレジット決済のケースが多い)
- オンライン診療をしている医療機関の数が少ない
- 薬の受け取りに時間がかかる
医療機関メリット
- 触診や聴診ができず誤診の可能性を否定できない
- 万が一の場合の責任の所在が法的に整備されていない
- 医師の拘束時間が長くなる懸念がある
さらに社会保障財源上の懸念として安易な受診による医療費増大や、個人情報の漏えいリスクが指摘されている。
オンライン診療でできること
保険診療
情報通信機器を活用した診療は対面診療を原則とする。その上で有効性や安全性等への配慮を含む一定の要件を満たすことを前提に、診療報酬を算定。オンライン診療を担当する医師は対面診療と同一の医師であることや、緊急時には30分以内に診察可能な体制を有していることなどが条件となる。算定項目は以下の4つ。
- オンライン診療料:700円(1カ月につき)
糖尿病透析予防指導管理料・地域包括診療料・認知症地域包括診療料・生活習慣病管理料・在宅時医学総合管理料などを算定している患者が対象 - オンライン医学管理料:1000円(1カ月につき)
1の要件のほか、算定すべき医学管理(※)を行っている患者に対して、対面診療とオンライン診療を組み合わせた管理を行った場合。(※)特定疾患療養管理料・小児科療養指導料・てんかん指導料・難病外来指導管理料・糖尿病透析予防指導管理料・地域包括診療料・認知症地域包括診療料または生活習慣病管理料 - 在宅時医学総合管理料 オンライン在宅管理料:1000円(1カ月につき)
在宅での療養を行っている患者に在宅時医学総合管理料に加えて算定 - 精神科在宅患者支援管理料 精神科オンライン在宅管理料: 1000円(1カ月につき)
在宅での療養を行っている患者に、精神科在宅患者支援管理料に加えて算定
自由診療
上記のように診療報酬上の要件に定められていない疾患については、自由診療(自費)でのオンライン診療が可能。オンライン診療サービス「クロン」などを手掛けるMICIN(東京・千代田)が実施した、医療機関を対象にしたオンライン診療の利用実態調査によると、自由診療の比率が5割を超えているとのこと。その背景として、オンライン診療と親和性が高いアトピー性皮膚炎や花粉症などがオンライン診療の保険適用からはずれたことが挙げられる。またEDやAGAなど、もともと自由診療の医薬品処方でもオンライン診療が浸透している。オンラインによる自由診療を掲げる医療機関の例は以下。
- W CLINIC(大阪市)では「AGA / FAGA外来」「美容皮膚科・美容外科外来」「まつ毛外来」「ダイエット外来」「コスメカウンセリング」「タトゥー除去カウンセリング」を提供
- 天神レディースクリニック(福岡市)では「低用量ピル」「月経移動」などをメニューとしている
- 桂川洛西口産婦人科まりこクリニック(京都・向日)やポートサイド女性総合クリニック ビバリータ(神奈川・横浜)はピルの処方を行っている