オンライン診療とは メリット・デメリット・今後の課題(1/3)
オンライン診療の環境整備が進んでいる。情報通信機器の進展を背景に、患者側の利便性が高まる一方で、指針を遵守しない実態も確認されるなど安全性への危惧もある。過渡期にある制度ではあるが、スマホを活用した医師へのアクセスが増えると、受診勧奨や健康相談などのサービスも含めて、これまでの生活者の健康管理の在り方に影響を与える可能性もある。
目次
オンライン診療とは?
オンライン診療とは
オンライン診療は、パソコンなどを使ってインターネット上で診察や診断を行うこと。患者の医療へのアクセスが高まることが期待される。ただし初診は原則として対面診療で行い、その後も同一の医師が行うことなどが求められている。2018年度の診療報酬改定では保険適用が認められた。「遠隔診療」という言葉も使われることがあるが、「遠隔診療」は離島やへき地など距離的な制約の解消がメインとなっている。それに比べ「オンライン診療」は、距離的な制約の解消だけでなく時間的な制約の解消の意味も含んでおり、最近はオンライン診療という言葉の方が一般的になってきている。
対面診療との違い
オンライン診療は対面診療に比べて、医師が患者から得られる情報が限定的だとされている。オンライン診療でも初診は対面診療を原則としているのもそのためで、オンライン診療と対面診療を組み合わせることが求められている。
これまでの制度改正の経緯
- 1997年12月
厚生省健康政策局長通知で離島やへき地の場合などで遠隔診療を認める - 2015年8月
厚生労働省医政局長通知で「離島、へき地」はあくまで例示であるとの見解を示し、事実上の解禁 - 2018年3月
「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を発出 - 2018年4月
診療報酬改定で「オンライン診療料」を創設 - 2018年9月頃~
診療報酬改定の検証調査 - 2019年6月頃~
調査結果を踏まえ中医協で議論。関係学会からも意見聴取 - 2020年4月
2020年度診療報酬改定。安全性・有効性等が確認された疾患は対象へ。実施の方法や体制も検討
(参考:厚生労働省「オンライン医療の推進について」)
一般的なオンライン診療の流れ
患者がオンライン診療を受ける流れは以下の通り。
- 医療機関を受診
- 担当医に次回以降のオンライン診療の相談
- アプリのダウンロード、アカウント登録
- 診察予約(オンライン診療は予約制が多く、予約可能時間はあらかじめ決められている)
- オンライン診察
- 領収書、処方箋が自宅に配送される
- 場合によっては医薬品の配送
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