ストレスフリーが現代女性の生き方トレンド 

仕事、結婚、出産育児、仕事と家庭の両立、キャリアアップ、介護など。人生の選択が次々と訪れる女性の毎日はとにかく大忙しでストレスフル。そんな中、悩みや疲れでストレスフルな状態から価値観や考えをリセットし、ストレス0のノンストレス状態を目指す「ストレスフリー」な生き方に注目が集まっている。自分らしく無理をせず、背伸びをしない生き方が、忙しくストレスフルな現代女性の理想になりつつある。そんな女性たちのニーズを反映し「ストレスフリー」をコンセプトにした商品・サービスも各社から相次いで登場している。

ストレスフリーは現代の生き方トレンド

多くの女性が社会進出を果たしたことで女性が歩む人生の道筋は大いに広がることとなった。しかしそれは、女性にかかる責任や負担が以前に比べて増大したとも言い換えられる。

ストレスフリーとは

ストレスフリーとは、心身に様々な悪影響をもたらすストレスがない状態のこと。心身の不調から解放された、“おだやかな状態”を表している。

ストレスフリーの生活が注目される背景

ストレスとは「外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態(刺激)」のことを指すため、就職や結婚、出産など喜ばしいイベントもストレスの原因となる。そのためライフイベントが多く、都度人生の選択をせまられる女性は男性よりもストレス要因が多いと言える。実際、ストレスに関する各種調査では、ストレスを感じやすいのは女性であることが明らかにされている。さらに女性は、男性と比較してストレスによる心身の不調をきたしやすい。例えば長期にわたりストレスを感じていると月経がとまったり月経不順になったり、PMSが強く現れることはすでに広く知られている。女性にとってストレスとの付き合い方はとても大切だ。

ストレスの主な原因

  • <環境的要因>
    ・騒音
    ・天候
    など
  • <身体的要因>
    ・病気
    ・睡眠不足
    ・怪我
    など
  • <心理的要因>
    ・不安
    ・悩み
    ・怒り
    など
  • <社会的要因>
    ・人間関係がうまくいかない
    ・仕事が忙しい
    など

ストレスをため込みやすい人

  • (例)完璧主義
    失敗を許せない、妥協できない、自分に厳しく周りの評価を気にする
  • (例)真面目
    責任感が強い、融通が利かず頑固、我慢強い
  • (例)ネガティブ
    考えが後ろ向き、心配性、消極的

「ストレスフリー」「シンプルライフ」「ナチュラル志向」が今ドキ

国内のみならず世界的に、ストレスを避ける生き方、シンプルな生き方、無理をせずにナチュラルな生き方を選択する人が増えている。もちろん、それらは多様化する生き方・考え方の一つではあるが、昔と今を比べるとストレスフリーは以前よりも広がりを見せていることが分かる。

  • 【仕事】
    ┗昔:給料が良く安定している大手に勤めたい
    ┗今:給料や安定だけを求めて好きではない仕事をしてストレスを溜めるのは嫌。正社員や大手企業にこだわらず、給料が高くなくても「好きなこと」を仕事にしたい
    ┗昔:仕事・昇格に燃える=仕事で自己実現
    ┗今:仕事だけが人生ではない。仕事に燃えてプライベートの時間を犠牲にするのは嫌。ワークライフバランスが大切。プライベートで自己実現したい
  • 【ブランド志向】
    ┗昔:高級ブランドの所有が成功の証しであり自己ブランディング
    ┗今:高級ブランドを手に入れるために、高いお金をつかったりローンを組んだり他に欲しいものを我慢するのは馬鹿馬鹿しい。いろんなものをコスパ良く買いたい
  • 【所有欲】
    ┗昔:自動車も新居も高級ブランドも、新しい物が欲しい。高い物はローンを組んで手に入れる。特に自動車と新居の所有は一人前の証
    ┗今:必要なその時々、その時の気分で使えれば十分。ローン返済・所有のために節約生活を強いられて何年も返済を続けるのはストレス。自動車も高級ブランドもシェアで十分。住宅は新居である必要はなく、リノベでもOK。賃貸であれば、自由に場所を移動できる
    ┗昔:いろんな物が欲しい
    ┗今:できる限り物を減らし、必要最小限の物だけを手元に置いておきたい(ミニマリスト)。家の中はすっきりと
  • 【ファッション】
    ┗昔:華美な洋服、ハイヒール
    ┗今:体にストレスを与えないラフで快適なファッションが良い。ハイヒールよりもスニーカー
  • 【結婚】
    ┗昔:結婚して家庭をもって一人前。女性の幸せは結婚にある
    ┗今:結婚も出産も自分のタイミングですればいい(晩婚化・晩産化)、独身でも既婚でもプライベートが充実しているかが大切

人気曲のタイトルも「ストレスフリー」(miwa/ハロプロ/大原ゆい子)

ストレスが近年の一大課題となった時代背景もあってか、ストレスフリーの言葉が入った人気曲もある。人気歌手のmiwaさんやハロプロの楽曲タイトルにも「ストレスフリー」の言葉は使われている。miwaさんの曲はドラマ「民王」の主題歌で、恋愛に振り回された女性がストレスのもとを断つ爽快な歌詞が特徴。大原ゆい子さんはmiwaさんの曲をカバーして歌い、アニメの挿入歌として使われた。ハロプロ「憧れのStress-free」では、ストレスフルな日々を送る女性がストレスフリーに憧れる気持ちをうたっている。

 

女性の声 何からストレスフリーになりたい?

現代女性が抱えるストレスの原因はどこにあり、彼女たちは何から自由になりたいのか?

女性たちが実践 ストレスフリーになる方法

ストレスマネジメント支援サイト「オフラボ」では、ストレスに関する調査を定期的に実施。ココロの体力測定2017と題した調査では、低ストレス女性と高ストレス女性それぞれのリラックス方法がランキング形式で発表された。低ストレス女性は人との触れ合いを重視し、スマホやパソコンから離れたデジタルデトックスが特徴的。一方、高ストレス女性は一人の時間を充実させ、デジタル機器による気分転換が多かった。

Twitterの「#ストレスフリー」投稿

Twitter投稿「#ストレスフリー」を見てみると、ストレスの原因は日々の仕事や人間関係によるものが多い。ほかにも仕事・家事・育児を一人で引き受けるワンオペ育児にストレスを感じているという投稿も。ストレス対策としては美味しいものを食べる、甘いものや辛いものを思う存分食べるなど暴飲暴食に走る傾向が見られた。こういった“食事療法”に比べると少数だが、なかには近場への旅行や「笑いヨガ体験」への参加といった積極的なアクションを起こして、ストレス発散を行う女性もいた。

 

ストレスフリー マーケティングへの活かし方事例

ストレスフリーは、ダイエットや食生活、化粧品業界にも波及。ストレスフリーのニーズを受けて女性をターゲットとしたマーケティング市場も活発に動き始めている。

ダイエット

ストレスフリーの高まりをうけてダイエット市場には新たな言葉「ギルトフリー」が誕生した。ダイエット中の「食べることへの罪悪感(=食べてはいけないとわかっていても食べてしまうことへのストレス)」を払拭する意味で、ギルトフリーをうたうヘルシー系食品やお菓子が登場。

事例1.オイシックス

ナチュラル&オーガニックのネットスーパー「オイシックス」ではグルテンフリーのパスタや糖質を抑えた米、砂糖不使用のアイスを販売。糖質やカロリーをカットしながらも、食物繊維やカルシウムなどの栄養素を取り込めるのが特徴。卵を使わないマヨネーズやカロリーゼロのサイダーなど、調味料から飲料まで主食以外の商品も取りそろえている。

事例2.スナックミー

スナックミー(東京・中央)は日本初となる「ギルトフリースナックの定期購入サービス」をスタートさせた。添加物、白砂糖、ショートニング不使用の100種以上あるお菓子から好みに合わせて8種ずつがセレクトされ、定期便で自宅に送られてくる。

化粧品

化粧品における「ストレスフリー」は無香料や防腐剤カットで肌へのストレスを最小限に抑えることを意味している。無添加化粧品とも呼ばれ、そのニーズは近年ますます高まっている。

事例1.ファンケル

創業以来「無添加」にこだわるファンケルは、安心と安全の提供だけでなく肌への効果を実証し、素肌美を追求する研究「無添加アンチストレスサイエンス」を続けている。ストレスフリーの原料開発にも取り組んでいる。

事例2.レブロン

レブロンは現代人が浴びるブルーライトのストレスに注目し、そのストレスから肌を守るファンデーション「フォトレディ キャンディッド ファンデーション」を開発。商品発表会では「ストレスフリー」をコンセプトとした、遊び心溢れる巨大ボールプールが出現。音楽が流れるなか海と空が投影された“ストレスフリー”な空間を演出し、ストレスフリー商品の特徴をアピールした。

運動

バランスボール

エクササイズにもストレス解消にも使えるバランスボール。自宅でいつでも取り組むことができ、エクササイズ方法次第で難易度を変えることができる。座っているだけでも体幹が鍛えられ、またヒップつぶれを予防できることから、オフィスでバランスボールを椅子がわりにする女性たちも。最近では身長や使い方に合わせて、サイズも種類豊富に展開されている。

介護

エイジフリーの老人ホーム

パナソニックは、介護事業におけるコンセプト「エイジフリー」で、「ストレスフリー」「バリアフリー」「ケアフリー」の3つのフリーを掲げている。「エイジフリー」のコンセプトのもと、介護サービス、介護用品、介護ショップ事業のすべてで利用者の負担軽減を目指している。

 

ストレスフリーに関するランキング

都道府県別や業界別のストレス度数を確認すると、ストレス度数が低い都道府県には共通したリラックス行動が発見できた。一方で業界ごとのストレス度数では、そのランキング結果よりも全体水準の低さが目立ち、仕事とストレスの相関が浮彫になった。

ストレスフリーな女性が多い都道府県 ランキング2019

都道府県別にストレスオフ指数を測りランキング化した「ストレスオフ県ランキング2019」が発表され鳥取県が2016年以来の第1位に返り咲いた。鳥取県を含めて3年連続でトップ10入りを果たした青森県、愛媛県、佐賀県の女性が行うストレスオフ習慣をチェックしてみると、2つの共通点が判明した。それは「部屋作り」と「温活」。模様替えや掃除で作る快適な部屋環境と、温泉や日向ぼっこによる温活がリラックス行動の上位にランクインした。

ストレスオフ県ランキング

出典:メディプラス

仕事のストレス度が低い都道府県 ランキング

職場でのメンタルヘルスケアが注目されるなか、「仕事のストレス度が低い都道府県ランキング」が企業口コミサイト「キャリコネ」から発表された。ストレス度が低かった県第1位は沖縄。沖縄は就業者全体の約8割が第3次産業に携わり、観光業が盛んなのが特徴。温暖な気候と豊かな自然環境がストレスフリーにつながっている様子がうかがえる。

出典:グローバルウェイ

 

ストレス度の低い業界 ランキング

「ストレス度の低い業界ランキング」についてもキャリコネから発表されている。1位は電気・ガス業界となったが、5点満点中でもその数字は2.88と全体の水準の低さが浮き彫りになった。

出典:グローバルウェイ

 

 

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