急加速するビューティテック 美容業界を牽引するハイテク商品&サービス事例(2/3)
ビューティテックの動向が見えてくるトピック
withコロナ時代でビューティテック加速
ビューティテック元年と言われた2018年から今年に入るまでの間にも、様々なベンチャー企業や大手美容系企業が、バーチャルメイクアプリ、ヘアカラーシミュレーション、店頭でのバーチャルメイクや肌診断などのビューティテックを世に送り出してきたが、新型コロナの打開策を目的に、積極的にビューティテックをマーケティングに取り入れる動きがさらに活発化している。
美容業界では今、感染拡大の対策のために店舗でのテスター制限をしたりカウンターでのタッチアップを自粛している。不要・不急な外出を控える女性も増え、これまでのように店舗で実際に商品を手に取って選んでもらえなくなった上に、BA(ビューティアドバイザー、美容部員)による肌チェックや商品の提案ができなくなった。
こういった非接触時代での販売方法として、テクノロジーの活用=ビューティテックの活用が加速しているのだ。顧客とBAがweb画面上で繋がりデジタルカウンセリングするのは、その代表例。バーチャルメイクで色味を試してもらいながらおすすめ商品を提案したり、ライブチャットで相談に応じながら商品購入を促す。
非接触時代におけるビューティテック活用のベネフィットは、企業サイドだけではない。美容感度の高い女性消費者にとってもありがたいサービスだ。
緊急事態宣言発令後、ウーマンズ編集部が、百貨店やGMSのコスメカウンターで定期的に化粧品を購入しているという女性を取材した際、「いつも美容部員にお肌の調子を見てもらって、いろいろ相談してから購入しているのに、今はそれができず不便」とうなだれていた。
通販での購入もできるが、ただ購入するのではなく、やはりプロ目線のアドバイスも同時に欲しいとのこと。BAとの接触を面倒に感じ、カウンターに近寄ったり助言をもらうのを避ける女性もいるが、彼女のように、商品と相談・アドバイスをセットで求める女性も一定数いる。後者の女性にとって、ビューティテックを適宜活用しながらオンラインでのカウンセリングを受けられるのはとてもありがたい。
ビューティテック関連のイベント
ビューティテック関連のイベントや展示会はまだ少ないが業界での注目度は高く、イベントは活況。
●ビューティテックアワード(主催:アイスタイル)
Beauty Techを最もリードした企業を表彰する「Japan BeautyTech Awards 2019」が、2019年12月に開催された(初開催)。若年女性を中心に大人気のARメイクアプリ「You Camメイク」や、花王のファインファイバー膜(皮膚に貼る極薄膜)などが受賞を果たした。
●5G時代におけるビューティテックについて考える(NTTドコモ)
5G時代の到来が各業界のクロステックを加速度的に成長させていく今後、美容業界においてはどのような可能性を期待できるのか?5G時代とビューティテックを掛け合わせて考えるオンラインイベント「5G×ビューティー 〜テクノロジーで進化する美の最前線〜」が、今年5月に開催された。
●展示会に「ビューティテックゾーン」誕生(ダイエット&ビューティ)
美と健康をテーマにした展示会「ダイエット&ビューティ(主催:インフォーママーケッツジャパン)」は、ビューティテック市場に早々に着目。2018年と2019年は、展示会開催期間中に「ビューティテック シンポジウム」を開催した。今年はいよいよ「ビューティテックゾーン」が誕生する(2020.9.15〜17開催)。
●ビューティテック マップ&リスト
スタートアップ支援のパイロットボートが、ビューティテック領域の全体像やプレイヤーを把握できるマップを作成(有料レポート)。国内外の200社以上のサービスを掲載(200の中にはファッション分野も含む)。