コーセー、医療・健康領域を推進 iPS細胞を用いた美容商品に続き新ブランド立ち上げ
コーセーは今月20日に、新たに立ち上げたインナービューティブランド「ニューリズム」から、高タンパク質の酵母プロテインを主原料とした美容プロテイン「イーストプロテイン アソートセット」を発売する。取り扱いは直営店とECのメゾンコーセー。
酵母プロテインは高い栄養価を持ちながら、牛(ホエイ)や大豆(ソイ)由来のプロテインに比べると製造時の環境負荷が少ないのが特徴。サステナブルなプロテインとして注目されている。
同社によると、プロテインのニーズが市場で拡大している一方で、今なお「プロテインはスポーツやトレーニングをしている人向けのもの」「健康や美容には関係ない」といった偏ったイメージを持つ人がいることが調査でわかったという。また、一般的なプロテイン商品は「大袋から1回分の量をすくい取るという作業が面倒」「仕事場などで摂取したいときに、シェイカーで混ぜるのが恥ずかしい」などの声が聞かれたことから、提供方法に工夫を施した。
フレーバーは、「リッチ ココア」「ほうじ茶 ラテ」「パッションフルーツ」「コーンスープ」の4種。間食代わりに楽しめる甘みのあるものから、お湯で溶かしてスープとして飲むことができるものなど幅広いテイストを用意し、アソートタイプにすることで選ぶ楽しさを提供。出先での使用に配慮し、外箱や内包パッケージはプロテインらしさを感じさせないデザインを採用した。シェイカーなしでも摂取できるよう溶けやすさにもこだわり、必要量を簡単に摂取できるよう個包装タイプに。従来品の不満や購入の障壁を払拭した。
同社は、従来の化粧品領域にとどまらない価値を客に提供しようと、健康・医療領域のウェルビーイングを推進しており、今回の新ブランド立ち上げもその一環。これまでに、皮膚科学研究に基づいたビューティヘルスケアブランド「カルテHD」の立ち上げの他(2019年〜)、ノーベル賞受賞者の山中伸弥博士が主宰する山中研究室へ同社の研究員を派遣し、「若返り研究」を推進している(2022年〜)。今年8月には、客自身のiPS細胞から抽出する成分「iPSF」を配合したパーソナライズ美容商品の開発・提供に向けた実証実験を開始した。
美容企業によるヘルスケア事業参入事例
女性たちの健食の選択基準とは?
小林製薬の紅麹サプリを巡る問題で、健康食品への不信感や動揺が消費者の間で広がっています。特に男性よりも健康意識・健康行動者率が高い女性による “健康食品の摂取控え” が懸念されることから、健康食品を普段摂取している20〜70代女性を対象に、健康食品に対するイメージの変化や、今後の摂取意向、今後の健康食品の選択基準を調査しました。女性たちのリアルな声からは、今後の健康食品の開発・販促・コミュニケーション設計のヒントを見つけることができます。詳細は「紅麹サプリ問題で、健康食品の選択基準はどうなった? 女性消費者動向分析でわかった88のキーワード」へ。
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