増えるマスク依存症、広がるマスク市場の実態を探る(1/3)

街中を歩いていると、マスクをしている人が随分と目立つようになった。本来は感染症や花粉、喉の乾燥を防ぐことなどが目的だが、最近は他の理由からマスクを年中着用する人が増え、マスク依存症という言葉が誕生した。特に若者に顕著に見られ、訪日外国人が日本に遊びに来ると、マスクをしている日本人の多さに驚くという。「マスクをしていないと落ち着かない、安心感を得られる」場合はマスク依存症の可能性を否定できない。

広がるマスク依存症、その実態とは

マスク依存症とは?

マスク依存症とは、自分の顔をマスクで隠していないと落ち着かない状態を指す。本来のマスク着用の目的は、花粉症対策、風邪予防、喉の乾燥対策、各種感染症予防の対策、またはインフルエンザなどにかかった際に周囲へ移さないためのエチケットだが、マスク依存症の場合はそれらを目的としておらず、病気以外の理由でマスクを着用する。その場合は「伊達マスク」とも言う。

マスク依存が強い人は、学校や職場で食事をする時以外は常にマスクを着用しているため、本人がその不便さに悩むことも多い。ヤフー知恵袋には「マスク依存症」に関する相談が582件(2019年3月現在)で、中学生・高校生の投稿が目立つ。「鼻毛が出てるよ」「マスクしていればかわいいのにな」「顎が割れてるよ」「ニキビがすごいできてるね」など、主に男子が女子に対して人前で発した指摘が原因になっているケースが見受けられる。中には、花粉症の時期にマスクをずっと付けていたらそれが習慣になり、花粉症の時期が終わっても外せなくなってしまったという人も。

マスク依存症の人たちがマスクを付ける理由

マスク依存症は主に2つに分類される。

美容目的

女性に多いのは美容目的のマスク着用で、主な理由は以下。

  • すっぴんを隠す
  • 自分の口臭が気になるので口元を隠す
  • 就寝中の顔の乾燥対策
  • 外出中の紫外線対策
  •  小顔に見せたい

以下調査結果は「小顔に見せるために何か努力や工夫をしているか?」で「はい」と答えた人に対する質問で、「どんな努力や工夫をしているか」。「マスクで顔を隠す」が6位にランクイン。

不安感の解消

美容目的でマスクを着用する女性は以前からいたが、近年増えているのは、「対人関係における不安感の解消ツール」としてのマスク着用。

  • 人に顔を見られたくない
  • 顔にコンプレックスがある
  • マスクをする方が落ち着いて人と話せる
  • コミュニケーションに不安があるけどマスクをしていると安心できる
  • マスクを着用している方が自信を持って外出できる
  • 知人に会っても気づかれずにゆっくり買い物ができる
    (女性は美容意識が高く、他人から見られている意識が強い)

専門医らはマスク依存症の人たちの社会不安症(社会不安障害、社交不安障害、SAD)を指摘している。

「風邪予防や、保湿・すっぴん隠しなどの健康や美容目的以外で考えられる原因は、対人恐怖症や自己肯定感の低さです。マスクをすると表情がわからなくなり、何を考えているか判別しづらくなります。周囲に近寄りがたい印象を与えることで、他人と接することを拒絶できるのです。また、マスクを着けるとその人が誰なのかわかりにくくなります。自分に自信がなく、周囲から見られたくないと思っている人も、マスクで自分の存在を消すことで、他人の視線を避けられるのです」(略)

「マスクで顔が隠れると、自分と周囲の間に壁ができ、ある意味社会と隔絶されたことになります。自分だけの世界に閉じこもることができ、摩擦が起こりうる社会との関係性も薄れるので、落ち着けるのだと考えられます。さらに、マスクをしていると周囲から見られる箇所が減る一方、自分は視野を確保し、周囲の様子を慎重に観察できます。外部からのストレスを受けずに周囲を見渡せることも安心できる要因の一つでしょう」(引用:心療内科・メンタルクリニックのベスリクリニック「これからの季節気になる・・・「マスク依存症」」)

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