がんでも妊娠の可能性残す「妊孕性温存」遠隔診療で地域格差なくす

京野アートクリニック高輪(東京・港区)は、妊孕性温存(にんようせいおんぞん)外来および遠隔診療を2018年1月に開設する。

妊孕性温存とは

妊孕性温存とは、若年のがんや免疫疾患患者などに対する治療によって将来妊娠の可能性が消失しないように生殖機能を温存する考え方。(引用:特定非営利活動法人日本がん・生殖医療学会)

妊孕性温存の現状

近年、がん治療の進歩によりがんを克服する患者が増えている。一方、化学療法など、治療の影響によって卵巣機能が損なわれ、若くして妊娠・出産が難しくなるケースがあることも指摘されている。特に治療開始までの時間的猶予が短い患者は、がん治療と妊孕性温存を天秤にかけ、短い時間で決断を下さなければならない。

画像:医療法人社団レディースクリニック京野

このような患者に将来的な妊娠の可能性を残す「妊孕性温存」の選択肢として、卵子凍結、受精卵凍結、卵巣凍結があることは徐々に広がってきているが、まだまだ地域格差があり患者への情報提供は万全とは言えない。

各医療機関と連携、地域格差なく妊孕性温存が実施可能

そのような地域格差の課題を踏まえ同クリニックでは、妊孕性温存外来と遠隔診療の導入で、日本全国の病院への情報提供を可能にする。妊孕性温存ではがん治療が何よりも優先されるべきで、時間的猶予は少ないのが一般的だ。妊孕性温存外来の導入は、短い時間の中でもがん治療関係者と密に連携を取り、患者に十分な情報提供と選択肢を提供することにより、患者にとって納得のいく選択がより多くなされ、患者のQOL向上に貢献することを目的としている。

妊孕性温存外来の流れ

  1. 医師または患者からの問い合わせ
  2. ヒアリングし来院予約・事前手配
  3.  来院または遠隔診療にて情報提供(※)
  4.  各患者の主治医と相談し、妊孕性温存療法決定
  5. 妊孕性温存療法の実施
  6. 術後の経過や定期的なフォローアップ
    ※生殖医療専門医、不妊症看護認定看護師、がん・生殖医療専門心理士が対応

 

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