LINE公式アカウント 作り方・活用法2019年・人気企業事例
LINEの2019年最新情報。LINEは2018年に料金改定とアカウント統合による新プランを発表・開始した。これにより今後、企業のLINE活用が今までと比べて仕組みがシンプルに、そして費用がリーズナブルになる。これまでは高額な料金設定がされていたが今後は¥0(無料)~の利用が可能だ。これにより、2019年はLINEを集客ツールとして活用する企業が急増する見込み。
女性顧客との継続的なタッチポイントツールとしておすすめしたいのがLINE。女性のLINE利用率は70.4%(平成29年版 情報通信白書「主なSNSの利用率」より)で、娘や孫たちに勧められて使い始める60歳以上女性の利用率も年々上昇している。LINEをマーケティングに活用する意義は大きい。LINEが公開している媒体資料(2018年12月~2019年3月媒体資料)によると、以下の特徴がある。
- 【ユーザー属性男女比】
男性(47.3%)、女性(52.7%) - 【職業属性】
会社員(48.3%)、主婦・パート・アルバイト(31.5%)、学生(12.0%) - 【年齢】
15~19歳(9.3%)、20~24歳(9.3%)、25~29歳(9.9%)、30~34歳(10.7%)、35~39歳(11.7%)、40~49歳(21.7%)、50歳以上(27.4%)
これまではLINE公式アカウント開設の料金が高く設定されていたために開設を断念していた企業が多かった。しかし料金改定が行われ、2018年12月以降に開設されるLINE公式アカウントは月額料金¥0(無料)から利用できるようになる。
本記事の前半ではLINEが提供するビジネス向けアカウント「LINE公式アカウント」の作り方と活用法を解説し、後半はLINEユーザーに人気の企業アカウントと、女性ユーザーの心を掴み集客につなげるための運用のコツをご紹介したい。
目次
企業のSNSは有名人のSNSよりも、消費者の購買行動を促す
LINE公式アカウントの開設を検討する前に企業がぜひ知っておきたいのが、企業が発信するSNSの情報が消費者の購買行動に与える影響度合。「SNSで見た情報がきっかけで商品の購入又はサービスの利用をした経験の有無」に関する調査(平成29年版 消費者白書)によると、以下の結果が出ている。
- 友達がアップやシェアをした情報(14.4%)
- お店やメーカーの公式アカウントがアップやシェアをした情報(13.7%)
- 芸能人や有名人がアップやシェアをした情報(9.4%)
友達は信頼が置けるからだろう、友達が発信した情報が購買行動に最も影響を与えている。反対に、購買に結びつきにくいと言えるのは芸能人・有名人が発信する情報。企業が直接発信する情報は、芸能人・有名人より信頼性があるようだ。近年は芸能人・有名人の影響力が以前ほど大きくはなくなっている。プロモーションに力を入れるなら、高い費用を投入して芸能人・有名人を起用することよりも、企業が自ら情報を発信することを優先して考える方が良さそうだ。2018年より費用面のハードルが下がったこともあり、LINEを使ったマーケティングは企業に十分なメリットをもたらしてくれるだろう。
LINE公式アカウントの基礎知識
これまでは料金が高く、また仕組みや機能を理解するのが複雑だった企業向けのLINEサービスだったが、2018年6月に発表されたサービス統合により料金がリーズナブルになり、また仕組みや機能が以前よりシンプル・簡単になった。新プランの登場で開設・運用のハードルは以前よりだいぶ低くなった。
LINE公式アカウントとは
「LINE公式アカウント」とは、企業や店舗が活用できる法人向けLINEアカウントのことで、情報を定期的に発信することでLINEユーザーとの関係構築・維持に役立つ。タイムラインへの投稿やメッセージ配信などの機能を利用できる。
サービスの統合と料金改定
2018年6月に開催されたLINE CONFERENCE 2018で、LINEの法人向けアカウントの種別を統合することが発表された。これまで別サービスとして提供されてきた「LINE@」「LINEカスタマーコネクト」「LINEビジネスコネクト」「LINE公式アカウント」が統合され、アカウント統合後は「LINE公式アカウント」として提供される。統合後のLINE公式アカウントは、月額料金が¥0(無料)から利用できるようになるのが最大のメリット。これまでのLINE公式アカウントは開設時の料金が高く設定されており、開設を断念する企業が多かった。今回のアカウント統合と2018年12月以降の料金改定で費用面のハードルが下がり、今後LINE公式アカウントの活用に乗り出す企業が一気に増えることが予想される。
LINE公式アカウントで主にできること
LINE公式アカウントで主にできることは以下の通り。
- LINEユーザーとの1:1トーク
- 友だちになっているLINEユーザーの属性に関する情報を閲覧し、セグメントしてメッセージを配信できる
- 友だち登録してくれた人や来店した人などにLINE上でクーポンやショップカードを発行できる
- 統計情報を活用して友だち数の増減やメッセージに対するLINEユーザーの反応を確認できる
など
※参考:LINE AD CENTER「LINE アカウント 2018年12-2019年3月期 媒体資料」
LINE公式アカウントの作り方
LINE公式アカウントの作り方の流れは以下の3ステップ。
アカウントの開設には審査が必要
事前に「LINE公式アカウント利用規約」「LINE公式アカウントガイドライン」などを確認し、専用フォームから審査を依頼する流れになる。
- <手順1>
LINE公式アカウント利用規約をチェック - <手順2>
LINE公式アカウントガイドラインをチェック - <手順3>
専用フォームから審査を依頼
申し込み方法は審査通過後に連絡
審査に通過すると、LINE株式会社の担当者より連絡があり、申し込み方法について教えてもらえる。まずは上記の3つの流れで問い合わせをしてみよう。
美容・健康系企業の人気LINE公式アカウント
LINE公式アカウントを開設したら、次にチェックしておきたいのが運用方法。LINEはプライベート性がメールよりも高く感じられるツールだけあって、過剰配信や的外れな運用はすぐに「友だち解除」されてしまう。運用に入る前に、まずは人気の企業アカウントと「友だち」になって、人気企業の運用方法を実際に体験してみよう。運用の際には「友だちを増やすための仕掛け」と「友だち解除されないための継続的な工夫」の2つに重点を置きたい。美容・健康系企業を中心に、人気のLINE公式アカウントは以下。
運用前にチェック 人気のLINE公式アカウント
人気のLINE公式アカウントを実際に自身のスマホで友だち登録をして各社からメッセージ(トーク)を受け取ってみよう。おすすめは以下(友だち数は全て2018年12月時点)。
- @cosme(2,029,430人)
- 資生堂ワタシプラス(24,111,336人)
- ETUDE HOUSE(160,716人)
- JILL STUART Beauty(1,150,984人)
- DIOR BEAUTY(1,170,307人)
- マツモトキヨシ(19,644,626人)
- スギ薬局(11,346,968人)
- BOTANIST(12,487,717人)
- ルルルン(6,819,095人)
- ロクシタン(19,755,622人)
- キューピー(9,263,004人)
- 楽天市場(46,371,922人)
- ニトリ(21,159,641人)
- ワコール(9,478,840人)
- ロッテ(10,007,257人)
- ユニクロ(31,038,726人)
- LOUIS VUITTON(657,952人)
運用方法は各社の方針によって異なるが、自社で運用する際に基本事項として注意すべきは、メッセージ配信の際に「既存イメージを壊さないこと(無理をしてこれまでのブランディングを破壊することのないよう気を付けよう!)」、そして「自社らしさ」を打ち出すこと。
LINEを使った女性ユーザーへのアプローチ(メッセージ配信)の積み重ねは企業の印象を形成するので、文字量やデザイン、言葉遣いなど、“最適なメッセージの伝え方” は初期の段階で策定しておきたい。
例えば高価格帯ブランドのシャネルやディオールビューティ、ヴィトンはメッセージに絵文字がなくテキストだけですっきりとした印象をもたせており、安定感や伝統、重みを感じさせる。一方で安さや身近さが売りのスギ薬局のアカウントは「おトクに!」「アプリだけのクーポン!」「ポイントカード代わりに」など、お得感を前面に出したキーワードが目立つ。若年層女性に大人気の韓国コスメ「エチュードハウス」は、同社のブランドカラーであるピンクを背景色として表示している。
人気のLINE公式アカウントの共通点
人気のLINE公式アカウントには、女性ユーザーの心を掴むどのような共通項があるのか。各社のLINE活用法からは、マーケティング効果を高めるヒントを得られる。「女性ユーザーへの徹底したメリットの提供」と「飽きさせない楽しいコンテンツ提供」、この2つを抑えたLINE配信がポイントだ。運用・メッセージ作成のご参考に。
- 絵文字の多用や言葉遣いをフレンドリーにすることで「お友だち感覚」で接する。ただし「フレンドリー度合」は自社ブランドの相性を踏まえ要検討
(例)LUIS VUIOTTONと、ルルルンを比較してみよう。フレンドリー度合の違いが分かりやすい - LINEスタンプや壁紙のプレゼント
- メッセージを多く感じる場合は「通知オフ」にしてね!と表記することで「ブロック」を未然に防ぐ
- お楽しみコンテンツ配信があることを事前に知らせることで、「ブロック」を未然に防ぐ
(例)@コスメ:「毎月19日はズッ友の日!! ラッキーな人は5,000円分のコスメが買えるおトクなコインがもらえるよ!ブロックせずに待っててね」と表示。ブロックを防ぐ - LINE友だち限定クーポンや限定商品を豊富に用意。「友だちなら50%オフ!」というケースも
- 文字よりもイラストで女性が好む世界観を伝える。女性誌を読んでいるような感覚のデザインは◎
- 動画配信。癒される高品質動画はつい視聴してしまう
(例)ディオールビューティなど - LINEユーザーの生活行動にあわせた配信
(例)つやプラ:夜21時に「睡眠の質UP。寝る前1分「股ほぐし」」「夜食べても太りにくい!ヘルシー夜食」の記事を配信。夜寝る前に、つい読みたくなる記事が特徴 - LINEユーザーが企業のアカウントに話しかけた際に絵文字つきで自動配信される「申し訳ございません、このアカウントでは個別返信ができないのです」の後に、「こう話しかけてみてね!」まで誘導すると、会話したくなる気持ちがアップ
(例)@コスメ:キーワードを入れると、全60以上のコスメカテゴリごとに最新ランキングがチェックできる。「人気キーワード」「新着キーワード」なども表示されるため、思わず試したくなる。
(例)ロッテ:適当にメッセージを送ると「好きなロッテのお菓子を話しかけてみてください♪キシリトール、ガーナ、コアラのマーチなど」と自動返信。@コスメ同様、思わず試したくなる。 - LINEユーザーと積極的に交流する
(例)マツモトキヨシ:友だちになると自動返信ですぐに届くのが「アタシ、マツポリちゃんは、世のおさぼりな女子を徹底的に取り締まるポリスであります。マツポリちゃんに話しかけるメッセージを送ってくれるとアタシ、マツポリちゃんが返信するのであります!(略)マツポリちゃんLINEの使い方をまた知りたくなったら、「ヘルプ」と話しかけるであります!」。ユニークなメッセージが◎。 - 運勢占い、おみくじ、診断テストなど女性が好むコンテンツの配信
など
LINE公式アカウントは開設した方が良い
以前までは仕組みを理解するだけでも大変だった上に、高額な費用が発生していた企業のLINEアカウント。2018年12月から開始された新プランにより、多くの企業が簡単にLINEをマーケティングに活用できるようになる。今後、利用企業が一気に増え女性ユーザーの奪い合いが激しくなりそうだが、新たな集客ツールとして開設しておくことを強くおすすめしたい。競合が増える分、いかに女性ユーザーと友だちでい続けるか?の工夫がより一層求められる。
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