介護食品の愛称「スマイルケア食」とは? 製品事例
スマイルケア食とは、2014年に農林水産省が公募して決定した介護食品の愛称。噛む・飲み込む・栄養における問題を抱える在宅の高齢者や障がい者に向けた食品を広く普及させることで、介護食品市場の拡大と国民の健康寿命をのばすことが目的。
それまでにも、介護食を分類する民間規格として「UDF(ユニバーサルデザインフード)」「高齢者ソフト食」「嚥下食ピラミッド」「日本摂食・嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類」があったが、これらを統一し、さらに新たな国家規格となった「そしゃく配慮食品の日本農林規格(JAS)」を取り入れた分類をすることで、消費者がより適切な介護食を選べるようになった。各民間規格の概要とスマイルケア食の枠組みは、農林水産省のHP内で資料で紹介されている(スマイルケア食の取組について)。
目次
スマイルケア食 3種類
スマイルケア食は各個人の状態に応じて商品を選択できるよう3種類・8タイプに分類され、利用許諾を得た商品にはマークがつけられる。
青マーク
噛むことに問題はないが、健康維持上栄養補給を必要とする人向け。現在、青マーク商品数は34企業・139アイテム(2019年2月14日時点)。
黄マーク
噛むことに問題がある人向け。状態に合わせ、以下4タイプの食品がある。現在、黄マーク商品数は1企業・2アイテム(2019年2月14日時点)。
- 容易に嚙める食品
- 歯ぐきでつぶせる食品
- 舌でつぶせる食品
- 噛まなくてよい食品
赤マーク
飲み込むことに問題がある人向け。状態に合わせ、以下3タイプの食品がある。現在、赤マーク商品数は1企業・12アイテム(2019年2月14日時点)。
- 少し咀嚼して飲み込める性状のもの
- 口の中で少しつぶして飲み込める性状のもの
- そのまま飲み込める性状のもの
適切なスマイルケア食の選び方
チャートで理解する
以上のように食べ方や栄養問題によって3種類・8タイプに分類されるが、消費者が適切なものを選べるよう、チャート図が用意されている。
スマイルケア食の制度を動画で理解する
スマイルケア食の制度に関する解説、スマイルケア食が誕生した背景、製品事例などは動画でも確認できる。摂食・嚥下障害についても解説。
スマイルケア食の製品事例
【青】明治メイバランスArgMiniカップ(明治)
介護される側が美味しく飲めるのはもちろん、介護する側が手軽に栄養食品を用意できると人気の明治メイバランスシリーズ。分類は「青」マーク。
【黄】雑炊〜やさしい献立シリーズ〜(キューピー)
「やさしい献立シリーズ」から登場したスマイルケア食の雑炊。分類は「黄」マークの「容易にかめる」。
【赤】プロッカ ゼットエヌ(ニュートリー)
全国の病院や介護施設で利用されている栄養・嚥下補助食品のゼリー。分類は「赤」の「そのまま飲み込める性状のもの」。
プロッカZn
その他、事例
各マーク別の製品事例は、農林水産省のホームページから閲覧できる。日清オイリオ、大塚食品、フジッコ、アサヒグループ食品、味の素などの食品メーカーの他、高等学校、ホテルもスマイルケア食マークを取得している。
- 青マークの利用許諾企業及び商品
- 黄マークの利用許諾企業及び商品
- 赤マークの利用許諾企業及び商品
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